オウム高橋克也被告の高裁判決で麻原教祖「死刑執行」の障害消える

2016年09月09日 07時15分

 1995年3月の地下鉄サリン事件で実行犯を車で送迎し、殺人罪などに問われた元オウム真理教信者、高橋克也被告(58)の控訴審判決で、東京高裁は7日、無期懲役とした一審東京地裁の裁判員裁判判決を支持、被告側の控訴を棄却した。

 一連のオウム真理教事件の実質審理はこれで全て終了。今後、事件に関わった元信者が被告や証人として法廷に出る可能性は事実上なくなった。法務省は、松本智津夫死刑囚(61=教祖名麻原彰晃)ら死刑確定者13人の刑執行について検討を始めるとみられる。

 刑事訴訟法は、死刑執行を原則として「判決確定の日から6か月以内」と規定。だが法務省は、共犯者の裁判が続いている間は執行を見送っていた。共犯者の裁判で死刑囚が証言を求められる可能性があるからだ。

 教団の事件では、2011年12月に遠藤誠一死刑囚(56)の死刑が確定し、全ての刑事裁判がいったん終結。法務省が松本死刑囚らの刑執行を検討し始めた直後の同年大みそかに、特別手配中の平田信受刑者(51)が出頭。菊地直子被告(44)と高橋被告も逮捕され、裁判が再び始まった。

 高橋被告の一審公判では、死刑が確定した元教団幹部6人が証人として、地下鉄事件のアジトでの打ち合わせ状況などを説明した。高橋被告は上告し、最高裁で争うことができるが、審理は憲法や判例違反など法律上の問題に限られ、改めて証人尋問などを実施し、事実関係を調べることは通常ない。元教団幹部らの死刑を執行しても影響はない状態になった。

 控訴審で弁護側は一審に続いて松本死刑囚の証人尋問を請求したが、高裁は「必要性がない」と認めなかった。

 高橋被告は95年の特別手配後、12年に都内で発見されるまで約17年間逃亡を続けた。同様に逃亡していた平田受刑者は懲役9年の実刑が確定。菊地被告は、一審が懲役5年の有罪判決だったが、東京高裁が昨年11月に逆転無罪判決を言い渡し、釈放された。その後に検察側が上告している。