「清貧」で臨んだ都知事選だったが…田母神被告はなぜカネにまみれてしまったのか

2016年09月04日 15時00分

 2014年2月の東京都知事選をめぐって、公職選挙法違反(運動員買収)の罪に問われている元航空幕僚長の田母神俊雄被告(68)の公判が、東京地裁で続いている。2日は田母神被告の自衛隊時代の部下、石井義哲被告(59=被買収で起訴)の証人尋問が行われた。石井被告は運動報酬190万円の受け取りを認めている。

 

 検察は田母神被告と元選対事務局長の島本順光被告(69)、すでに有罪判決が出ている元会計責任者の鈴木新氏(58)が共謀して石井被告らに金を配ったとにらんでいる。元選対関係者は「田母神氏は『島本が勝手にやった』と言い、島本氏は『鈴木が仕組んだ』と言う。鈴木は『2人の指示』と主張していた」と、3人で罪をなすり付け合っていると指摘した。

 

 田母神被告と島本被告らをつなげたのが石井被告だった。

 

「私が参院選に出馬したときに島本氏を紹介してくれる人がおり、島本氏が鈴木氏を連れてきました。都知事選のときに2人を田母神氏に紹介しました」(石井被告)

 

 結果的にこれが事件につながった可能性がある。

 

「石井氏が選対に参加する直前は選対内で『完全にボランティアでやろう』と確認し合っていた。石井氏と島本氏、鈴木氏の3人にはちゃんと伝わっていなかったのかも」(前出の選対関係者)

 

 出馬を決めた当初は選対に資金がなく、選挙できるのかすら危ぶまれていた。だからこそ選対内で清貧選挙を誓ったわけだ。ところが、「田母神氏の政治資金パーティーをしたら約1000万円も集まった。まさかこんなに集まるとは誰も思っていなかった」(前同)

 

 さらに寄付金で1億円を超えた。選対幹部は「大金を前にして田母神氏や島本氏はおかしくなってしまった」と振り返る。田母神、島本両被告は無罪を主張しているとはいえ、支援者からの浄財が消えたのは間違いのないことだ。