滋賀県警草津署は20日、同県内の特別支援学校に通う10代の女子生徒にわいせつな行為をしたとして、強制わいせつ容疑で同校の送迎バスの運転手の契約社員(63)を逮捕した。逮捕容疑は7月5日、草津市内の路上に駐車していた特別支援学校の送迎バスで、女子生徒の下半身を触り、携帯電話で動画撮影した疑い。容疑者は「やっていない」と容疑を否認している。

 同署によると、事件があったのは生徒らを自宅に送り届ける途中で、バスには他の職員や生徒も乗車していた。男は職員が車外に出た隙に、女子生徒に近づき、犯行に及んだとみられる。車内には他の生徒が残っていたが、目撃証言について同署は「離れた場所に座っていたので、犯行には気付いていなかったようだ」と話した。

 女子生徒が母親に体を触られたことを相談し、翌日に同署に届けがあったという。

 特別支援学校に詳しい関係者は、職員が離れ、監視の目が行き届かない状況を作ってしまったことを問題視したうえで「被害者がどの程度の支援が必要だったかは分かりませんが、ただでさえ、女性は力も弱いし立場的に弱い。被害を受けても、声に出して訴えることができない子もいますし、被害として認識できていない場合もある」と話した。

 さらに「普段から送迎を行っていれば、見知った顔で安心感も生まれる」と被害者の心情を推察し、送迎バスの運転手という立場を利用した犯行を断罪。「本人が母親にきちんと相談して明らかになったのは良かった」と語った。

 草津署は、容疑者が動画を撮ったとされる携帯電話の解析や、他の生徒に対する余罪がないかなども含め、調べを進めるとしている。