【障害者施設殺傷事件】植松容疑者「俺は未来人」大量殺りく事件の背景

2016年07月28日 06時45分

植松容疑者は検察に向かう車中で、前を向き笑みも浮かべた

「妄想性障害」か!? 相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で26日未明、19人が殺害され26人が重軽傷を負った事件で、殺人未遂などの疑いで逮捕された元同施設職員の植松聖(さとし)容疑者(26)は、27日朝の送検で薄ら笑いを見せた。守られるべき存在である重度障害者に刃(やいば)を向けた戦後最も凄惨な大量殺りく事件の背景に、一体何があったのか。その深層心理を専門家に聞くと「ありもしない特権意識を持った妄想性障害に罹病していた可能性が高い」という。

 グレーと白のボーダーシャツを着た植松容疑者は送検時、顔を隠さず笑みも浮かべた。調べに対して「意思疎通できない人たちをナイフで刺したことは間違いない」と供述。また「障害者なんていなくなればいい」「施設を辞めさせられて腹が立った」と話しているという。

 職員を結束バンドで縛り上げ、寝息を立てる入所者の個室をひと部屋ずつ“巡回”しながら、次々に凶行に及んだとみられる。死傷者の多くは首を刺されていた。

 植松容疑者とは、どんな人物なのか。自宅は現場となった「津久井やまゆり園」から歩いてわずか5分ほどの戸建て住宅だった。地元で生まれ育った容疑者にとって、入所者らが職員と近くの山道を散策する光景は、施設で働く以前から“身近な風景”だったと思われる。

 父親が小学校教員の実直な家庭の一人っ子として育ったが、高校は暴力ざたで中退。その後、帝京大に進学し、父親と同じく教員を目指していたのだが…。

 4年ほど前に母親が抱えた“ご近所トラブル”で両親が家を出て以来、一軒家で植松容疑者は一人暮らし。

「(容疑者の)母親が野良ネコに餌付けして一時期、大繁殖して近所でトラブルになった。母親は夜中に泣き叫んだり、すっかりナーバスになってしまってお父さんが付き添って家を出たんです」(近隣住民)

 教職志望だった植松容疑者はこのころ、地元の小学校に教育実習に行っている。生徒の保護者は「子供にものすごく懐かれていて、学校の外でも『せんせー、せんせー』って子供たちに取り囲まれて一緒に遊んでいるのを見て『教師にピッタリだ』と話していた。教師になったもんだとばかり思っていた」と語る。

 だが、植松容疑者は教員として採用されず、飲料メーカー、運送会社などを転々とした後、2012年から同園で働き始めた。

「聖君がパンツ一丁で日光浴していたのを何度か見たが、肩、胸、背中にはびっしり入れ墨が入っててね。最近見たら金髪になっていた。入れ墨が発覚して教員がダメになったのかなと思った」(住民)

 そして、今年2月に約3年勤めた「津久井やまゆり園」も事実上“クビ”になった。

 同園園長によると「このころ、急激に思想が変わり『障害者を抹殺するべき』などの不穏な発言が多くなり、時同じく、衆議院議長に障害者の安楽死を求める内容や殺害予告の書かれた手紙を持参したことが分かり、聞き取りしたところ『考えは変わらない』とのことだったので自主退職の形をとった」という。

 その後、津久井署の事情聴取にも「障害者を抹殺すべき」などと話したため、神奈川県が植松容疑者を精神科に措置入院させた。この時の検査で、大麻の陽性反応が検出され、医師から「大麻使用による精神および行動の障害」と診断されたが、3月には退院した。