【田母神被告・公選法違反公判】報酬もらった元公務員 一人は元警官で選挙違反取り締まりも

2016年07月21日 09時00分

田母神俊雄被告

 2014年2月の東京都知事選に出馬した元航空幕僚長の田母神俊雄被告(67)らが運動員に報酬を渡した公職選挙法違反事件で、報酬を受け取った運動員3人の公判が東京地裁で19日、開かれた。3人のうち1人は無罪主張をしたため、公訴事実を認めた2人とは公判を切り離すことが決定。この日は罪を認めた2人の被告人尋問が行われた。

 きびきびとした動きにハキハキとした話し方。20万円を受け取った鷲見茂秋被告(37)は元陸上自衛隊所属らしく、法廷では神妙だった。自衛隊を辞めた後、北海道で保守系団体の主催する田母神被告の講演を聞いて、尊敬の念を抱くように。14年に都知事選出馬のニュースを聞くと、鷲見被告は友人から300万円を借り、上京。選対事務所に手伝いを申し出ていた。

 運動員として活動後の14年3月、田母神被告のパーティーのため再度上京。選対事務局長だった島本順光被告(69)から小声で「渡したいものがある」とささやかれた。鷲見被告は「違法性のあるものだと思った」と悟ったが、「少しでも回収したかった。島本さんも“当たり前”の雰囲気で、正直こういうものだと思ってしまった」。鷲見被告は東京で100万円以上を自腹で使っていた。

 一方、30万円を受け取った高山寛被告(62)は元警視庁警察官。14年5月に口座に振り込まれた。「(運動員として)丸々1か月、朝から夜遅くまで一生懸命やりました。選挙から3か月もたっているし、いいかなと弱い心が出た」と高山被告は心境を明かす。

 驚くのは元警官である高山被告の認識だ。「所轄時代は選挙取り締まりの本部にいたことがあるが、特殊な仕事をしていたので買収とかビラ破りの捜査はしていない。公選法の知識も一切ありません。良くないとは思ったけど、『頑張ったから』と自分に言い聞かせた」

 元公務員でもこの体たらくとは嘆かわしい。