逮捕された「スプレー落書き男」が地元で犯行を繰り返した狙い

2016年06月11日 07時30分

昨年12月の市川市での被害

 千葉県市川市で民家や車などにスプレーで落書きが相次いだ事件で、千葉県警は9日、器物損壊の疑いで同市在住の自称塗装工の横山秀行容疑者(42)を逮捕した。

 市川署によれば、横山容疑者の逮捕容疑は、昨年12月27日深夜から翌28日朝にかけ、市川市内のブロック塀や階段にスプレーのような塗料で「バカ」「アホ」などと落書きした疑い。

 事件が特異なのは、被害エリアがJR市川駅の南側一帯に集中していたこと。昨年12月に新聞・テレビで大きく報じられた後も年末にかけ、大胆不敵に同エリアで犯行を重ね続け、3月に19件、5月にも4件の被害が報告された。被害件数は昨年11月から計80件にも上り、横山容疑者が関わったとみられる。

 落書きは主に赤色のスプレーで線や丸のほか「死ね」「クソ」などと塀や玄関、壁、自動車に吹きかけられた。

「ガレージに侵入され、玄関まで一面をスプレーでいたずらされた家もあった」(周辺住民)

 5月の被害には公用車や政治資金流用の疑惑が持ち上がった舛添要一東京都知事を批判する内容もあった。

 被害に遭った男性は「またやられるんじゃないかと心配し、おちおち眠れなかった。許せないし、塗装工と聞いて、あきれた。絶対に賠償請求したい」と憤る。この男性は3年前と10年前にも落書きされたという。

「ウチだけでなく、何軒か同じ被害に遭っていて、手口も似ている」と“余罪アリ”と訴える。横山容疑者の自宅から同エリアまでは5キロほどの距離で、土地勘があったとみられる。自ら犯行に及んで修理を買って出た“自作自演”も疑われるが「いかつい風貌で、一度見たら忘れない顔」(自宅周辺の住民)。被害男性も同容疑者に見覚えはないという。

 被害に遭った家はいずれも落書きを落としたうえで塗装するなどし、全塗装した車もある。1件につき、被害額は10万円は下らず、総額は2000万円近くに上る。イタズラや憂さ晴らしだったとしてもその代償は高くつきそうだ。