モラルなき中国…ゴミ箱盗んで転売

2012年11月06日 10時55分

 8日から始まる中国共産党大会で、党総書記に習近平国家副主席(59)、新首相に李克強副首相(57)が就任する新体制が発足する。その新生・中国に水を差すような騒動が起きている。複数の中国メディアによると、公衆衛生のために遼寧省大連市の街角に約8300個のゴミ箱が設置されたが、なんと次から次へと盗まれているというのだ。

 街中のゴミ箱は都市文明の発達度合いを表すものと言われる。ひと昔前、中国では街にゴミ箱はなく「街自体がゴミ箱」という時代もあった。

 そこで、大連市の衛生部門施設管理副責任者の金耀生氏は「街の景観を美しくするため、800万元(約1億240万円)の予算で市全体に8300個のゴミ箱を設置した」と語る。

 設置されたのは、ステンレス製の分別できるものや、かご状のもの、プラスチックで大きめのバケツ形など、様々なゴミ箱だ。

 ところが、5月に設置された大連市の中心部だけで、これまでに約350個が盗まれた。約30万元(約384万円)の損失だ。このほか、空港の道路沿いからはステンレス製60個以上、プラスチック製20個以上が盗まれ、今も盗難は続いているというから大変だ。

 日本では考えられないが、ゴミ箱を盗んでどうするのか。ゴミ箱設置のプロジェクトマネジャー呂健氏は「調査すると、750元(9600円)のステンレス製は、盗んだ人が5元(64円)で金属スクラップ工場に転売していた。1000元(約1万2800円)のを50元(約640円)で転売していた人も。プラスチック製は、個人宅で漬け物用の保存容器として使われていた。本来の用途であるゴミ箱として使っていた病院やホテルもあった」と嘆く。病院やホテルの関係者が盗んだのか?

 また、中国人はたばこを道にポイ捨てする習慣があるが、ゴミ箱を設置したことによって、ゴミ箱を灰皿代わりにして投げこむようになったとも。しかも、火のついたまま捨てるというから、ゴミ箱のゴミは燃え上がり、プラスチック製のものはドロドロに溶けている。

 こうした状況から、市側は、今後ゴミ箱泥棒を発見、通報した人には現金200元(約2560円)の報奨金を払うことになった。

 中国人ジャーナリストは「中国では地面に固定されていないものは何でも盗まれます。電車やバスのパーツ、公園の鉢植え、ホテルの蛇口、公衆トイレのペーパーやホルダー。ガス工場からガス漏れしたら、巨大なビニール袋を持って住民が集まり、ガスを入れて持ち帰って、あちこちで爆発したなんて事件もある。中国では公共物設置はまだ難しいでしょう。なにしろ、共産主義は個人の所有を否定し、すべてを国民全員の共有物とする思想ですから」と話した。

 それだけに中国人が日本に初めて来ると、自動販売機の多さに最も驚くという。

「『商品とお金が入っているのに、ただ道に置いてあるなんて…』というわけです」(同ジャーナリスト)

 中国人のモラルのなさについては今さらの感もあるが、ニューリーダーはこうした現状をどう考えるのだろうか。