【爆破&銃撃テロ】ジャカルタの次はタイが危ない?

2016年01月23日 09時00分

パタヤビーチはロシア人にも人気のリゾート

【アツいアジアから旬ネタ直送「亜細亜スポーツ」】インドネシアの首都ジャカルタで14日、爆弾と銃撃テロが発生。死傷者30人、自爆や警官隊との銃撃戦で犯人グループも4人死亡し、事件に関与した疑いで12人が逮捕された。

「事件後すぐ過激派組織イスラム国(IS)が犯行声明を出した。インドネシアでは、判明しているだけで300人以上がISに参加するためシリアやイラクに渡航。彼らがインドネシアで、欧米人の立ち寄る場所を狙いテロを起こすのは時間の問題だった」(現地在住記者)

 テロが起きたのは米大手コーヒーチェーン「スターバックス」で、カナダ人も犠牲になった。自動車メーカー駐在社員が指摘する。

「現場は古いデパート『サリナ』周辺。500メートルほど南には日本大使館のほか、西武デパートや和食レストラン街などもある。外国人観光客が泊まる高級ホテルも密集。また東にはジャラン・ジャクサという安宿街がありバックパッカーが多い。非イスラム教徒の外国人が標的だったのは明白」

 現地で会社を経営している日本人によれば「『ISにそそのかされたバカな連中が、大した武器も用意できずあっという間に警官隊に殺された事件』と、地元民も在留邦人もみている。テロに走るのはインドネシアでも本当にごく一部で、『ISは出ていけ』などと書かれた旗やプラカードを掲げる人で現場はあふれている」という。

 ジャカルタとその近郊の工業団地では、日本人が1万人以上暮らしていて、イスラム社会ではよくないとされる酒を提供する和風居酒屋も多い。またAKB48の姉妹グループ「JKT48」は、イスラム聖職者から見ると過激で露出過多の衣装で活動しており、保守層から批判も。「標的になるのでは」と心配する声もある。

 そんな中、前出の会社経営者は「本当に危険なのはタイ」と警告する。

「ウチも契約しているが、世界各国に支社を持つ国際コンサルティング会社からテロ情報が入ってきている。タイでロシア人を狙ったテロが起きるというもの。実際ロシアは、昨年10月エジプトで自国旅客機をテロで落とされて以来、ISに対し激烈な空爆を加えていて、過激派から相当恨まれている」。情報によると、ISは今冬中に行動を起こすという。

 ロシア人富裕層はこの時期、暖かい国へ旅行し、エジプト、トルコ、タイが3大避寒国。だが航空機テロ以降、ロシア―エジプト間は飛行機の運航が止まったままだ。

 またトルコとはロシア空軍機撃墜事件(昨年11月)以降、関係が悪化し、航空券やツアー商品の販売が凍結されている。

「だからこの冬は、タイにロシア人が殺到。今でこそルーブル安で景気は良くないが、数年前までは、天然資源で潤ったロシアの富裕層がタイで不動産を買いあさっていた。タイ東部のリゾート・パタヤではロシア語が氾濫し“リトル・モスクワ”のような状態。今シーズンはロシア人観光客がさらに増えると予想され、そんなタイでテロが起きる可能性は否定できない」(前同)というわけだ。

☆室橋裕和(むろはし・ひろかず)=1974年生まれ。週刊文春記者を経てタイ・バンコクに10年居住。現地日本語情報誌でデスクを務め周辺国も飛び回る。2年前に東京へ拠点を移したアジア専門ライター。