海外でも安心!農水省がジャッジ「和食レストラン」検定スタート

2016年01月21日 07時00分

 海外の“インチキ日本料理店”は認めない! カレーチェーン店「CoCo壱番屋」の廃棄カツが横流しされた事件はショッキングだが、幸いなことに健康被害の報告は今のところない。これは日本の食の安全基準が優れている証しであるかもしれない。だが、世界に9万店舗近くある「日本料理店」では、食材から料理人まで安全管理がずさんな店も多いという。そこで農林水産省が新たに認定制度を始めて、劣悪な店は淘汰されるようにした。これなら海外旅行中でも看板にだまされることはない!? 

 壱番屋の廃棄カツをめぐる事件では、愛知県稲沢市の産廃業者「ダイコー」の会長が「壱番屋から廃棄物として引き受けた食品を売却した」と横流しを認めていることが19日、ダイコー側の弁護士への取材で分かった。

 会長は廃棄依頼された食品について、岐阜県羽島市の製麺業者「みのりフーズ」にしか販売していないと説明。「消費者や小売店、壱番屋など皆さまに申し訳ない」と謝罪しているという。

 もちろんヒドい犯罪ではあるが、世界が驚くのは横流しされた廃棄食品をスーパーで売って、それを食べても具合が悪くなった人が出ていないという点だ。

 観光業界関係者は「今問題の『廃棄カツ横流し事件』の一つの側面でもあるが、日本の食の安全基準は世界でも有数。仮に中国が日本と同じ食の安全意識を持ったら世界中の食料がなくなるとも言われている。その良しあしはともかくとして、日本が安全に厳しい国だというのは欧米に対してもっと積極的にアピールしていい」と語る。

 中国では“毒食品”と呼ばれる、食べたら即死するような食品まで横流しで流通し、たびたび問題になっている。廃棄物横流しは由々しき問題ではあるが、日本企業の高い安全意識もクローズアップされることになった。

 そんな日本の農林水産省が和食文化の理解度や調理技能のレベルに応じて、海外の日本料理店やすし店で働く外国人の料理人に「お墨付き」を与える認定制度を始めることになった。

 2016年度から実施するこの制度は、日本で実務経験を2年以上積めば「ゴールド」、専門学校で半年程度学べば「シルバー」、数日程度の研修を受ければ「ブロンズ」と3つのレベルに分け、それぞれのマークを海外の各店舗で掲げることで他店との違いを出す。

 農水省の担当者は「和食への理解を深めてもらうことで、海外店の品質向上や日本産の農産物や調味料の輸出拡大につなげていきたい」と話す。

 もっとも、日本もナポリタンやラーメン、カレー、アイスコーヒーなど独自の食文化を生み出したほか、料理人が本場で修業していないイタリアンレストランやフランス料理店などが繁盛するケースもある。食文化の押し付けは一部で批判を受ける可能性もあるが、海外の日本料理店については黙って見ていられない現状があるようだ。

 前出の観光業界関係者は「メニューが独自の進化を遂げられる点については、仕方ない部分もあるが、日本が誇るべき『食の安全』や『接客マナー』のヒドさに関しては指をくわえて見ているわけにはいかない」。

 農水省の調査では15年7月の時点で世界中に「日本食」料理店は約8万8700店ある。急速な人気の高まりを見せる一方、欧米などではずさんな食品管理で、食中毒が発生する例も相次いでいるという。

「料理店でも、日本は衛生管理が徹底されている。これが海外に行くと雑になる。従業員も中国人や韓国人をさも日本人のように雇っている店も多い。細かい接客術も含めて、日本食の価値を示すには、ある程度文化の押し付けは行っていかないといけない」(同)

 海外に行っても、認定された和食店で食べれば安心というわけだ。