コンビニ店内でマナーを注意した店員に暴行した中国人観光客が26日、北海道で逮捕された。

 札幌中央署に傷害の疑いで現行犯逮捕されたのは、住所、職業いずれも自称の上海市の銀行員(36)とその妻の会社員(25)の2容疑者。2人は中国籍の夫婦で新婚旅行中だった。逮捕容疑は26日午後10時35分ごろ、札幌市中央区のコンビニ店内で、店員の男性(24)の顔を殴ったり、髪をつかんで蹴ったりするなどして、鼻や頬を打撲させた疑い。

 同署によると、会計前に店内で趙容疑者が開封してアイスクリームを食べ始めたため、店員が外に出るように手ぶりで指示したところ、夫婦に暴行された。夫は「妻が侮辱されたと感じた。殴ったことは間違いない」と容疑を認めている。

 昨今は他の観光地同様、北海道にも中国人観光客が大挙して訪れている。旅行業界関係者は「北海道の場合、特にカニやアワビといった高級食材が面白いぐらい売れる。中には転売目的の人間もいるようだが、いずれにしても、あまりに来るので、いまや北海道の海産物店の従業員たちは中国語もペラペラ」とその恩恵について語る。

 一方で、ご多分に漏れず、中国人のマナーが問題視されており、先月には北海道観光振興機構が中国語のガイドブック「北海道観光常識」を約4000冊発行したばかりだった。

「内容は『公衆浴場で泳いだり騒いだりしない』『レストランで食べかすを床に落とさない』『トイレットペーパーはトイレに流す』など、ごくごく当たり前のものばかり。一部では、中国人をバカにしているという批判まで起こったほどだったが、今回の事件でその必要性が再認識された」(前出の関係者)

 同ガイドには「会計前の商品を開封しない」ということもきっちり記載されていた。今回の一件は中国でも広く報道してほしいところだ。