大阪府寝屋川市の中学1年生平田奈津美さん(13)と星野凌斗くん(12)が遺体で見つかった事件で、死体遺棄容疑で逮捕された山田浩二容疑者(45)が犯行2日前に都内で警察官から職務質問を受けていたことが明らかになった。その際、所持品には注射器も含まれていたが、これに関連して新たな疑惑もささやかれている。福島で除染作業員として働いていた同容疑者は11日未明に秋葉原で同僚の男性を乗せて運転中、職務質問を受けた。ボストンバッグにはスタンガンや手錠、注射器などがあり、最寄りの署で尿検査を受けたが、結果は陰性。警視庁は法令に違反していないと判断し、摘発しなかった。明らかに不自然な所持品ながらも薬物使用の反応が見られなかったことで警察の網をすり抜けた同容疑者だが、地元の大阪では、過去に薬物との関わりがささやかれたことがあった。「中学卒業後に進学せず、暴走族に入ったり暴力団の手伝いをするようになった山田容疑者は、クスリを売って金を稼いでいるようだ、とも噂された。実家暮らしだったこともあるが、定職にもついていないのにそれほど金に困っているそぶりがなかったのは、そういったシノギのためともされている」(捜査関係者)

 そんな山田容疑者だけに、今回の所持品に注射器があったのは意味深。「わざわざ実家から遠く離れた福島で働いていたのは、過去の経歴について一切不問で職につけて、高い賃金も得られる場所だったということもあるが、さらに除染作業員たちの薬物への興味をリサーチしていた可能性もある」(同関係者)

 少なくとも山田容疑者が売人としてはびこることはなくなったが、今回の事件を受け、望月義夫環境相(68)は福島の除染作業員や雇用主への法令順守の徹底を受注者に指示した。山田容疑者は死体遺棄容疑について否認を続けている。