児童ポルノ」単純所持にも罰則 画像送り罪を着せる犯罪が起こる?

2015年07月16日 06時00分

 児童買春・ポルノ禁止法の改正により、個人が趣味で児童ポルノの写真や映像を持つ「単純所持」が、15日から罰則の適用対象となった。昨年7月の改正法の施行から1年間の猶予を設け、警察当局は所有者に児童ポルノの処分を促してきた。

 自分の意思に基づき性的好奇心を満たす目的で18歳未満の児童のポルノ写真などを所持した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金を科される。

「この1年、写真やDVDの廃棄依頼が急増した」と話すのは大阪市の奥村徹弁護士。児童ポルノ事件の弁護を多く手掛けてきた。寄せられた児童ポルノに関する相談は200件以上だ。

 今後は所持していなくても、過去の購入履歴から警察の捜索を受ける可能性があるという。

 奥村弁護士によると、処分方法は写真の場合、はさみで切るだけでなく、その様子を写真撮影しておけばより確実。ハードディスクに保存している場合は、削除しても復元できるため「所持」とみなされる恐れがある。また自分の子供の成長記録の中に裸の画像があるなどさまざまケースが想定される。

 この単純所持への罰則を悪用し、冤罪を作り出す悪人が出てきそうだ。英国では2006年、ロンドンの中学校で、気に入らない上司のパソコンに部下が児童ポルノ画像を仕込んだ。

「上司のパソコンから児童ポルノが出てきた」と警察に通報。警察が上司のパソコンを調べると、大量の画像が出てきたために、児童ポルノ所持容疑で逮捕され、懲役12年の判決を下された。部下は新聞社に逮捕をリークした。上司は職場をクビになった。

 しかし、部下が実行プランを周囲にしゃべっていたため、慎重に捜査が進められ、1年後に部下が児童ポルノ所持で逮捕され、上司の冤罪は晴れた。

 ネット事情通は「画像を勝手に送り込むウイルスはすでにある。一度送り込まれたら消せない児童ポルノが送り込まれ、『通報されたくなければ、金を払え』という詐欺が起こることは目に見えています。また英国の冤罪事件のように、嫌な相手を潰すためにウイルスを悪用する人も出るでしょう。ウイルスはネットの闇市場で売買されていますから、素人でも扱えるんです」と指摘する。