北朝鮮が金一族3代バッジ製作 しかし配布先の大物が次々亡命

2015年07月13日 06時00分

 北朝鮮は今年10月10日の労働党創建日に向けて故金日成主席、故金正日総書記、そして金正恩第一書記の3人の顔がデザインされたバッジを製作している。

 金日成主席と正日氏親子の顔が揃ったバッジは有名だが、親子3代の世襲をテーマにしたバッジは今回が初めて。正恩氏は父親の正日氏が死去した後、自分の顔を描いたバッジを製作して側近の労働党の幹部たちにプレゼントした。

 平壌情勢に詳しい関係者は「北朝鮮でバッジは身分を示すもので、デザインによって幹部用と一般住民用とに分かれています。労働党旗を背景に金日成主席・金正日総書記の顔が載った幹部用バッジは人気が高く、北朝鮮国内では高値で取引されています。新しいバッジの完成は、正恩氏の偶像化が本格化することを意味します」と語る。

 バッジは労働党創建日までに3000個を完成させて党幹部などに配布する予定だが、早くも異変が起きている。

 正恩氏のバッジを受け取れるはずの朝鮮人民軍幹部や党の中堅幹部たちが、金ファミリーに見切りをつけて次々と韓国へ亡命を果たしている。

「北朝鮮人民軍副総参謀長の朴勝元上将は韓国に亡命した。動機は馬息嶺スキー場建設で労力英雄称号を受けた馬遠春国防委員会設計局長が、正恩氏に今月1日にオープンした順安新空港を指示通り建設しなかった理由で粛清された。そのころから、『次は自分…』と不安を感じて亡命を選んだと聞きます」と日本の公安関係者は語る。

 さらに、北朝鮮の裏金を調達・管理する“党39号室”の副部長及び中堅幹部や労働党の組織指導部と密接なつながりがある海外事業機関の主要幹部なども亡命した。「これほどの大物幹部の亡命は父親の正日氏政権ではなかった。日本人拉致事件に関わった国家安全保衛部の幹部も亡命したと伝わる。いずれ金ファミリーに関する内部情報が大量に流出される可能性が高い」(前出の公安関係者)。正恩氏はバッジ製作して権力を誇示することができるのか。