相模原死体遺棄事件 カギを握る2つの不明点

2015年06月30日 10時00分

 神奈川・相模原市の墓地から東京・新宿区の阿部由香利さん(25=当時)の遺体が見つかり、死体遺棄容疑で佐藤一麿容疑者(29)と秋山智咲容疑者(23)が逮捕された事件が複雑怪奇な展開をみせている。元警視庁刑事で犯罪ジャーナリストの北芝健氏が、カギを握る2つのポイントをプロファイリングした。

 1つ目のナゾは阿部さんの長男(7=当時)の行方だ。2006年に生まれたが、翌年9月以降、目撃情報がなく、生存確認が取れていない。佐藤容疑者と阿部さんは長男の所在不明の時期と前後して、交際が始まったとみられる。北芝氏は「水商売に従事していた阿部さんを佐藤容疑者が身請けしようと考えた時、子供が邪魔になった。子供は何らかの原因で亡くなった可能性もあり“2人の秘密”になった。2人の関係がうまくいっているうちは良かったが、破綻した時に阿部さんに洗いざらいぶちまけられる可能性が出てくるわけです」と推測する。

 2つ目のナゾは、逮捕容疑が事実なら、なぜ資産家令嬢の秋山容疑者が犯罪に加担したかだ。佐藤容疑者は阿部さんと秋山容疑者と二股をかけていた。北芝氏は「佐藤容疑者は阿部さんとの別れ話がもつれた際に殺害するほか方法がないと、秋山容疑者を共犯関係に引きずりこんだ可能性が高い」とみる。つまり秋山容疑者との間にも“秘密”をつくった。

 しかもこの時期が重要だったという。当時、大学4年生だった秋山容疑者は放送研究会に所属し、アナウンサーを志望していたことだ。「女子アナの採用試験は春先にはキー局などで結果が出ている。阿部さんを遺棄した7月は秋山容疑者にとって、業界に入る道が閉ざされ、焦っていた時期。佐藤容疑者から『業界に口をきいてやる』などと口説かれれば、わらにもすがる思いで妄信的に犯罪に加担したことが考えられる」(北芝氏)

 佐藤容疑者は言葉巧みに阿部さんと秋山容疑者と秘密の関係を結び、従属関係を築いたのか――。

 事件の全容解明が待たれる。