不思議なことだらけの「電車内でAV撮影」事件を専門家が解説

2015年06月25日 06時00分

 電車の中でAV女優にオシッコをさせ、撮影したDVDソフト制作会社の社長と社員が逮捕された。AV撮影ならスタジオですればいいものを、なぜ本物の電車の中でやってしまったのか? しかも女性のギャラは安い場合で数千円だというからオドロキ。不思議なことだらけの事件を専門家に聞いた。

 福岡県警中央署は23日、電車内でアダルトビデオを撮影したとして公然わいせつの疑いで、福岡市のDVDソフト制作会社社長、平野英明容疑者(42)と同市の同社社員柳沢裕史容疑者(33)を逮捕した。

 容疑は2013年10~11月、西鉄天神大牟田線を走行中の電車内で20代の女性3人に胸や下半身を露出させ、床に放尿する様子などを撮影した疑い。作品を見た鉄道マニアなどから西鉄に情報提供があり、昨年8月、西鉄が中央署に相談した。中央署によると、制作会社は東京に拠点を置き、柳沢容疑者と女性の2人1組で撮影。女性3人は制作会社がインターネットで公募して集め、1人当たり数千円から数万円の謝礼を渡していた。同署は女性3人も同じ容疑で書類送検する方針。

 ホームページなどによると、このわいせつDVDは「場違い排泄」シリーズで、レーベルコンセプトは「盗撮・痴漢・公共露出・不法侵入…など世の中のありとあらゆるエロ犯罪を収録した無法者集団によるレーベル 女性の素・リアルさ・危うさ・非日常感を追求しています」とのこと。問題となったDVDについては、「ガタンゴトンのリズムに合わせて電車内でのおしっこを撮影した!」とうたっている。ほかにも「バス車内」や「他人の敷地」でも撮影しているようだ。

 それにしても電車内で痴漢などをするAVのほとんどは、乗り降りだけ実際の電車で撮影し、エッチなシーンは電車内を再現した車両スタジオで撮影するものだ。なのになぜこんな危険を冒したのだろうか。

 AV撮影やイメージDVD撮影に詳しい犯罪研究家の野島茂朗氏は「ゲリラで撮影すればコストがかからないし、臨場感を得られます。西鉄に乗ったことがありますが、ローカル線の電車の平日みたいな感じですから、車両に他の乗客がいない時間帯もあります。いまAVは、なかなか売れない状況です。ビジネスで考えると原価を抑えるにはロケ費と人件費の削減です」と指摘する。

 人件費の削減というが、女性はたった数千円で電車内で放尿するところを撮らせるのだろうか。

「企画系AVは5000円からギャラスタートします。時給800円で6時間働くより、手っ取り早く稼げて、アイドル気取りができるのです。ブスなAV嬢でも、現場はチヤホヤしますから、これが女性にはたまらない。企画AVの仕事を1日に複数入れ、日当1万5000~2万円ほど稼げて、チヤホヤされてアイドル扱いの自分に酔いしれるのです」と野島氏。

 また今回のようにマニアックな作品は、100本単位でしか売れないので、ゲリラでやってもバレにくいという側面もあるようだ。

 しかし、あるAV好きな鉄道マニアは「車両スタジオの作品なら楽しみますが、本物の鉄道を汚すものは許さない。マニアなら映像を見れば、日時と場所を特定できるので、鉄道会社に通報します。この作品は鉄道マニアの間でずっと『許せない』と話題になっていました」と言う。

 最近はネット配信やネットでの直販など、第三者に作品内容を知られずにコアな顧客と売り主だけが秘密を共有する関係が強い。鉄道マニアはそれを許さなかった。