法廷で“尾崎豊を絶唱”した殺人犯の心理は!? 昨年3月3日の夜、千葉県柏市で発生した連続通り魔事件について、強盗殺人などの罪に問われている竹井聖寿被告(25)の裁判員裁判の第4回公判が2日、千葉地裁(小森田恵樹裁判長)で行われた。これまで、スーツに身を包みうつむいて入廷し、微動だにしなかったが、この日は法廷に入るなり“ワンマンショー”を開催した。

 午前10時少し前に法廷奥のドアから、警備員に伴われ入廷した竹井被告は、白いタンクトップにヒザ下丈のジーンズ。両肩の入れ墨があらわになっている。竜が彫られたその右腕には「除悪」という自身のチャットネームのほか、「佳」という文字が大きく彫られていた。

 ドアが開くなり「僕~が僕~であるために~勝ち~続けなきゃ~ならない~」と歌いだした。亡き尾崎豊さん(享年26)の歌「僕が僕であるために」だ。

 あっけにとられたか、検察官も弁護人も誰も止めないため、竹井被告は今度は「15の夜」を歌いだした。「ぬ~すんだバ~イク~では~しりだす~ゆき~さきも~わか~らぬ~まま~」。さらに歌い続け、「自由になれた気がした~15の夜~」まで歌い切った。続けて「検察官! 今のうちに死刑求刑しておけ! 俺は反省する気は一切ない!」と叫んだ。

 弁護人はこの段になって、ようやく「黙りなさい」と言いだしたが、黙らない。

「あの画像と動画が…覚悟しておけ! 道連れだ~~! ハッハッハッハッ、ハッハッハッハッ」

 異常者を演じたのか? 弁護人は苦悩の表情で目を閉じた。竹井被告は退廷させられ、開廷が遅れることになり、11時に再開廷となった。

 この日は、竹井被告が逮捕前の数年間“チャット友達”として関わった男性が証人出廷。チャットなどの通話で竹井被告は男性に「バスジャックして空港に乗り付け、飛行機をハイジャックして機長を殺し、スカイツリーに突っ込む」と話したという。これを男性は「有名になりたい願望なんじゃないかと思う」と分析した。

 弁護側は、こうした竹井被告の発言が精神障害によるものであると主張していたが、それを真っ向から否定する発言だった。