賞金6億円テロリストに逮捕状 日本警察どこまで本気か

2015年06月04日 16時00分

 2013年にアルジェリアの天然ガス施設が襲われ、日揮の日本人社員ら10人を含む約40人が殺害された人質事件で、神奈川県警は2日、人質強要処罰法違反容疑でアルジェリア国籍でイスラム武装組織「覆面旅団」の指導者モフタール・ベルモフタール容疑者(43)の逮捕状を取った。イスラム過激派テロリストの逮捕状は国内初で、日本で裁くチャンスはあるのか?

 神奈川県警がICPO(国際刑事警察機構)に国際手配する同容疑者は、2年前にアルジェリアのイナメナスの施設を襲撃したアルカイダ系武装勢力の首謀者とされる。たばこの密輸で財をなし「ミスター・マルボロ」の異名も持つが、数々の誘拐・テロ事件を起こし、アルジェリアでは逮捕されていないにもかかわらず、既に死刑判決が下っているほどだ。

 アルジェリアでの人質事件後、チャド軍との戦闘で死亡したと伝えられたが、その後も同容疑者の声明が出されるなどしており、生存説もある。米政府は国際手配しており、同容疑者の情報提供者に500万ドル(約6億2500万円)の支払いを表明している。

 イスラム事情に詳しいフリージャーナリストの常岡浩介氏は「もし生きているとすれば、アルジェリアとマリの国境地帯に潜んでいるでしょう。周辺の軍情報をすべて把握し、サハラ地域は庭のようなものでなかなか捕まらない」と指摘する。

 日本が出した逮捕状に効力はあるのか。

「イスラエルは特殊部隊が他国に潜入し、容疑者を引っ張ってきた。日本にゴルゴ13みたいなのがいれば別ですが、独自に捕まえる能力も意思もない。逮捕状は形だけでしょう」(常岡氏)

 あくまで国際社会に対する日本のメンツというわけ。さらに当事国のアルジェリアが厄介な事情を抱えているという。

「ベルモフタールはアルジェリア政府側とつながっており、捕まれば持っている諜報情報が筒抜けになってしまう。アルジェリアは拘束のどさくさに紛れて、殺害したいところ。生きて捕まえたとしても米や他国に引き渡すことはないでしょう」(常岡氏)

 やはり手も足も出ないのか。