昨年3月、千葉・柏市で2人が死傷した連続通り魔事件で、強盗殺人や強盗致傷、大麻取締法違反(所持)などの罪に問われた竹井聖寿被告(25)は27日、千葉地裁(小森田恵樹裁判長)で開かれた裁判員裁判の初公判で「間違いありません」と起訴内容を認めた。

 竹井被告は事件の2日後に、捜査員から任意同行を求められ逮捕されたが、この際に「チェックメイト」とつぶやいたり、自宅周辺に集まる報道陣に「ヤフーチャットバンザイ」と奇声をあげていた。

 逮捕当時はテンションが高かったが、この日は黒いスーツを着用し、おとなしく法廷に現れた。

 起訴状によると、昨年3月3日夜、柏市の路上で会社員池間博也さん(31=当時)のバッグを奪って刺殺。自転車の男性の手をナイフで切り、別の男性2人から財布や車を奪うなどしたほか同5日、自宅で微量の大麻を所持したとしている。

 千葉地検は鑑定留置した結果、刑事責任を問えると判断し、昨年7月に起訴した。

 検察側の冒頭陳述では、竹井被告の困窮ぶりが明らかになった。

「事件の1年前から現場近くのアパートで一人暮らしを始め、まもなく生活保護を受給。事件の半月ほど前にはネット仲間にうその儲け話を持ちかけ65万円を受け取りました。しかしこのカネを入れ墨代などに使い、2月末には生活保護費11万円を受け取ったものの、事件当時には所持金が1万数千円になっていました」(検察側冒頭陳述)

 弁護側は善悪の判断がある程度減退していたのは統合失調症の影響と主張し、刑の減軽を求めた。弁護側によると「犯行に及んだ動機は2つ。ひとつは生活費のほか、バスジャックののちハイジャックをしてスカイツリーに突っ込むための準備資金にすること。もうひとつはネットに依存していた生活のため、チャット仲間に存在を誇示するため、何か大きなことを今やらなければと思ったことです」。

 以降の審理では、事件前に通っていた精神科の主治医や、竹井被告の精神鑑定を行った医師らの尋問などが行われる予定だ。