大阪府警枚方署は13日までに、覚醒剤取締法違反(使用)の疑いで、関西医科大付属枚方病院皮膚科助教の医師(29)を逮捕した。

 枚方署によると、8日夜に署を訪れて「覚醒剤を使った」と説明。その後、尿検査で陽性反応が出たため逮捕した。逮捕容疑は4月下旬~5月上旬、覚醒剤を使用した疑い。容疑を認めている。

 関西医大によると、今年1月から勤務している。担当者は「逮捕された事実は把握している。容疑が事実なら大変遺憾だ。学内で調査し真摯に対応したい」と話した。

 これまでに何度も医師が覚醒剤や麻薬の所持及び使用で逮捕されている。ある現役医師によると、表沙汰になっていないだけでもかなりの薬物使用例があるという。

「麻酔科医が医療用麻薬を持ち出して使用、逮捕される事件は定期的に発生している。外から仕入れるにしても経済的余裕があるから購入もしやすいのだろうが、そうした入手経路の観点以外にも理由はたくさんある」

 その一つはやはり、多忙と重圧。「勤務医の多くは激務。その場しのぎで疲労やプレッシャーから逃れるために手を出してしまうケースがある。2日間の徹夜を乗り切った後、兄弟の結婚式に出席するために薬物を使用した医師もいた」とは前出の医師だ。

 また、医学的知識があることも、逆に薬物に手を染めさせやすくするという。

「体の仕組みが分かっているだけに、ここまでは大丈夫などと高をくくって、手を出してしまう。これは昔から業界で問題になっている。ちなみに、医師の中には自分が医者にかかるのを嫌う人間も多いが、これもなまじ知識があるから」(同)

 この医師は「社会性や倫理観の欠如」も指摘する。「仕事も忙しいし、病院の外に出ることもないので、社会のことに疎い人が多い。いわゆる世間知らずになりやすく、善悪があいまいになってしまう」(同)

 ある意味で、最も意思の強さが試される職業なのかもしれない。