米国大使館に先月、キャロライン・ケネディ駐日大使(57)を「殺す」という脅迫電話があったことが分かり、さまざまな犯人像が浮かび上がっている。電話の主は男性で英語を話していた。ケネディ大使だけでなく、アルフレッド・マグルビー駐沖縄総領事に対する殺害脅迫もあった。警視庁が脅迫などの疑いで捜査している。

 米国大使館は「原則として、大使の安全に関することはお話ししない」と詳細を明かしていない。韓国では米国大使が襲撃される事件があったばかりだが、脅迫電話は2月だったことから、関係はないとみられる。

 では一体、誰なのか。公安関係者は「駐沖縄総領事も脅迫されているので、今も沖縄で続いている反米軍基地運動をめぐる動きではないか。ただ、運動をしているのは、いわゆる左翼と言われる人たち。左翼の特徴から、運動に携わる人が脅迫したとは考えにくい」と指摘した。

 どういう特徴があるのか。「左翼はインテリが多いので理詰めで運動を起こしていきます。個人では動かず、暴力に訴えることは少ない。逆に右翼は、かつて一人一殺主義を掲げた団体があったように、暴力に訴えがちなところがある。電話で殺すと脅迫するのは左翼の手口ではない。もちろん右翼がやったというわけでもありません」(前出公安関係者)

 過去にケネディ大使は日本のイルカ漁に反対するツイートをして炎上したことがある。保守思想の持ち主が怒ったとしても不思議はないが、タイミングがずれている。

「何者かが基地問題に絡んで反基地運動をハメようとしたのではないか。反基地運動をする人たちからすれば、脅迫電話なんて余計にこじらせるだけでメリットがない。反基地運動に疑惑の視線が行くように仕向けた嫌がらせかもしれません」(同)

 ケネディ大使を脅迫しても意味はないだろう。