川崎市の中学1年上村遼太さん(13)が殺害された事件で、主犯格の少年A(18)ら3人の供述が「3人で上村君に暴行を加えた」という方向にそろってきた。世間を震撼させた事件はネット社会の影響もあり、地元はざわついたままだ。

 Aの自宅は住所がネットの書き込みや生中継などで拡散され、多くの人が好奇の目を向けに訪れ“観光地化”している。壁にはAの母親の出身国を指して「○○(国名)に帰りたい」と赤いスプレーで落書きされ、父親が仕事で使っていたワゴン車には別の国名が落書きされた。

 近隣住民によると「火曜日の朝に(Aの)お父さんが気が付いて通報して警官が6人来ていました」。また別の住民によると「朝も夜もなく、Aさん宅に罵声を浴びせるやじ馬が後を絶たず、我々近隣も日常生活を妨害されている。中には外国語で悪意の言葉を叫ぶ人もいて、そのたびにAさんの家族が警察を呼ぶので常に騒がしい」。近所も疲れきっている。

 当初は殺害への関与を否定した17歳の少年2人も、「(Aから)『お前もやれ』と言われ、切った」などと徐々に認める方向に供述が変わってきた。Aは支配下にいた気弱なメンバーを集めて犯行に及んだとみられる。

 共犯のとび職見習いの少年Cについて、同級生は「アンガールズの田中(卓志)よりもガリガリでひ弱。小6の時に体格のいい同級生が教室でふざけてCを突き飛ばしたら廊下までポーンって飛んでいって脳振とうを起こしてけいれんしてしまい、救急車で運ばれたことがあった」と明かす。

 ワルという印象は全くなかった。「キレたらヤバイという噂は聞いたことがあるけど、学校で暴力ざたを起こしたことはないと思う」(同)

 Cは小学校の卒業文集で日光東照宮を見学した思い出として「言わざるに みざるに きかざる 三猿だ」という“俳句”を自作したと書いている。ようやく“言わざる”をやめたことで真実が見えてきそうだ。