甲府の放火事件、逮捕された19歳少年は長女の知人主張も浮かび上がった〝ストーカー説〟

2021年10月14日 11時30分

 甲府市の住宅が全焼し住人の井上盛司さん夫婦とみられる遺体が見つかった放火事件で、同居する次女への傷害容疑で山梨県警に13日逮捕された少年は、駐在所に「人を殺してしまった」と出頭した。県警は放火との関連も調べている。

 井上さん夫婦はともに50代で、10代の娘2人との4人暮らし。少年は長女と「面識があった」という。なぜ、少年は面識のあった長女ではなく、次女を襲い、両親を巻き込む放火に及んだ疑いもあるのか。

 少年は12日未明に井上さん宅に侵入し、次女が襲われた。長女は少年の顔を見ていないと思われる。が、少年は長女を「知人」と言い、少年を目撃した次女は「見知らぬ男と鉢合わせした」と証言。火災はその直後に起こった。未明に引火性可燃物と刃物を携帯し、「知人」宅に忍び込んだのだから、単なる“物取り”とは考えづらい。

 日米で連続殺人犯、大量殺人犯など数多くの凶悪犯と直接やりとりしてきた国際社会病理学者で、桐蔭横浜大学の阿部憲仁教授はこう分析する。
「妹による『見知らぬ男』という通報や、全般的に受ける家族の認知度や関係性の低さなどから、姉としっかりとした交際にまでは至らない“ストーカー行為”であった可能性が最も高いのではと思われる」

 それにしても、午前3時過ぎごろに家にまで乗り込むのは異常すぎる。

「ストーカーは『子供時代の愛情のネグレクト』によるものである。そのため、無意識にそれを埋め合わせようとして相手に異常執着し、また、十分に愛されなかったがゆえの人間的もろさから自爆気質を併せ持つ。以前に姉との間に、実ることのなかった何らかの接触があり、それを忘れることができず心の中で異常執着状態を続け、暴発した可能性があります」(阿部氏)

 放火も少年の犯行だとしたら、なぜ家族を巻き込んだのか。

「ストーカー犯にとって、ターゲットの家族は2パターンに分類されます。①2人の関係を引き裂き、突破しなければならない敵。②復讐心が増強され、自分の怒りを発散させるための、ターゲット本人の延長と見なされる場合で、憎い人間の身内は全員自分の敵だという発想である。今回は①であると考えられます」と阿部氏はみている。

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