林死刑囚が高橋被告をかばう理由

2015年02月19日 07時30分

 オウム真理教元信者の高橋克也被告(56)の裁判員裁判が17日、東京地裁で開かれ、前回に続き地下鉄サリン事件の審理が行われた。この日は、サリン散布役を務めた林(現小池)泰男死刑囚(57)が証人出廷した。

 林死刑囚は、元幹部の故村井秀夫氏から「東京の地下鉄にサリンをまく。お前らやるか」と聞かれた時の状況を「誰も返事をしなかった。村井さんから1人ずつ『お前、やるよな』と確認されて、断るとヤバイと思い、やることにした」と証言した。

 また、サリンの容器を用意する際、林死刑囚は「大きな浣腸器はどうか」と提案すると医師だった林郁夫受刑者(68)から「それはない」とバッサリ切り捨てられたという。1人1リットルまくために必要な大型の浣腸器となれば、医療用というよりアダルトグッズ。医師の林受刑者からしたら噴飯ものだっただろう。

 地下鉄日比谷線でサリンを散布した元幹部を車で駅まで送迎したとされる高橋被告は「サリンと知らなかった」と共謀と殺意を否認し、無罪を主張している。

 前日に出廷した広瀬健一死刑囚(50)が「豊田(亨死刑囚)さんが『今からサリンを配りまーす』と呼びかけた」と証言したのに対し、林死刑囚は「はっきりサリンという言葉を言ったかどうかは覚えていない」「謀議の場に被告はいなかった」と、高橋被告に寄り添った証言に終始した。

 というのも、前身の「オウム神仙の会」のころからの信徒仲間で「私(林死刑囚)が横浜支部にいたころに、高橋さんの両親の入信案内という名目で、高橋さんから『両親の様子を見て来て』と頼まれたことがある」という仲。一時期は逃亡生活も共にした。

 そんな林死刑囚だけに「以前は後ろのパーティションがなく職員の数もここまでいなかったので不本意な気持ちがある。圧迫感があります。できれば(目隠しを)外してほしい」と主張。「遮蔽措置は公開裁判を受ける被告人の権利侵害」と訴え、林死刑囚の証言の公明さを印象付けたい弁護側への配慮に映った。