大阪・京都を舞台にした連続不審死事件で逮捕された筧千佐子容疑者(68)は“完オチ”したのか――。

 これまで亡くなったのは京都府向日市に住む夫の筧勇夫さん(75=当時)と、内縁関係にあった大阪府貝塚市の本田正徳さん(71=当時)。ともに青酸化合物による毒殺とみられ、前者は2013年末に自宅で、後者は12年にバイク事故に見せかけて殺害された疑いがある。

 だが、本紙がかねて報じてきた通り、事件はさらに広がる可能性が高い。捜査関係者も先の2人は「状況証拠を積み重ねており、取り調べでオトせる自信があった」そうで、「むしろ本番はここから。彼女の周辺ではほかにも不審死が相次いでおり、それらも自供まで持っていきたい」としている。

 一説には犠牲者の数はこれまで報じられた7人を大きく上回り、大阪5人、京都2人、兵庫3人、奈良2人、和歌山1人、島根1人の計14人に上るとも…。

 筧容疑者自身にも“異変”が起きている。これまでマスコミを前にしても冗舌に潔白を訴えたが、前出の関係者によると「拘置所で年を越し、連日の厳しい取り調べに彼女も心が折れつつあるようだ。かつての強気な態度は鳴りを潜め『堪忍して』と泣きを入れることもある」という。

 事実、筧容疑者が17日、新たに兵庫県の高齢男性の死亡についても関与をほのめかす供述をしていたことが分かった。この男性は筧容疑者と一緒にいた時に意識不明の状態で病院に搬送され、一命は取り留めたものの1年半後に衰弱死した。当局は死亡の経緯や供述の信ぴょう性を慎重に調べる方針だ。

「彼女の自供だけで立件きるかは微妙ですが、事件の全容解明につながるのはいいこと。完オチする日は近いでしょう。彼女が男性から短期間で相続した総額は10億円以上。普通なら怪しいと思ってしかるべきで、当局は彼女と組んで相続の際に便宜を図った“共犯者”がいるとにらんでいる」とは事情を知る関係者。

 事件の“闇”はまだまだ根深い――。