和歌山小5殺害犯「変顔の謎」と「剣道教室の奇行」

2015年02月10日 08時00分

 頬を膨らませたわけは…。和歌山県紀の川市の住宅地で市立名手小5年・森田都史君(11)が殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された中村桜洲容疑者(22)の自宅のげた箱付近から血痕が見つかり、森田君のDNA型と一致したことが8日、分かった。過去の奇行が語られている中村容疑者は、送検の車中でもほっぺたをプックリ。何を考えているのか。

 森田君は5日夕、自宅近くの空き地で胸を刺されて死亡した。頭や両腕などに10か所近い傷があった。

 中村容疑者宅のげた箱付近には血痕が3つあり、うち1つが森田君のDNA型と一致。中村容疑者本人のものもあった。県警岩出署捜査本部は、同容疑者が事件現場にいたことを示す証拠とみて調べている。

 中村容疑者は不可解な行動が近隣住民に数多く目撃されている。時期はかぶっていないが森田君と同じ剣道教室に通っていた。森田君は2年前にやめている。事情を知る関係者によると「(中村容疑者は)1年ほど前にOBとして来たことがあったらしい。教える感じじゃなくて1人で素振りをずっとしたり、子供相手に稽古するときも全力で竹刀を振っていて、みんな『変な人』と思っていたみたい」と“奇行”を明かした。

 奇行といえば、8日に送検される際は、警察車両の後部座席で、頬を膨らませっぱなしだった。唇をかむように口の内部に引き込んで頬を膨れ上がらせ、鼻の穴も丸々。報道陣の前では、膨らませた頬を指でつっつくしぐさも見せた。この意味は何なのか。

 警察関係者は「米国では、警察が逮捕者の顔を証明写真のように撮って『マグショット』として公開します。写真を撮られる際、容疑者は顔をごまかすために、頬を膨らませたり、“変顔”にすることがあります」と話す。

 森田君が刺された直後の目撃情報では、空き地から作業用ゴーグルのようなものを着けた男が逃走していた。その男は丸刈りではなかった。これが中村容疑者なら、捜査の手を逃れるため髪を丸刈りにした可能性がある。ゴーグルは6日夕の任意同行の際、レンズとゴム部分が別々にされていた。

 稚拙にもみえるゴーグルの“証拠隠滅”や丸刈りにしたことなどからすると、中村容疑者はカメラに写る自分の顔を単に変えようとしただけなのかもしれない。

 変顔でいえば昨年、危険ドラッグを吸って隣室の女性を襲ったとして逮捕された男が、護送される車中で笑いながら両手を掲げてピースサインを示す姿が関心を呼んだ。警察の調べに対して「しぇしぇしぇ」と声を発するなど、奇怪な行為だらけ。顔を隠さなかった中村容疑者の頬プックリ顔も、何かの自己アピールとも考えられる。

 大学教授の父と茶道や華道も教える母、成績優秀な姉と一緒に中村容疑者は暮らしていた。高校受験に失敗し、不本意な進学。その工業高校も退学し、以降は引きこもるようになった。

 息子が小学校の同級生だった女性(49)は「道で会うとしっかりあいさつしてくれた。両親はとても教育熱心で、しつけもきちんとしていた」。一家を知る男性(78)も中村容疑者を「育ちがよく、真っすぐな性格」といい、事件と結びつかない様子だ。

 和歌山県紀美野町では8日、森田君の葬儀が営まれた。遺族は県警を通じて「大切な家族である息子を失ってしまったことで、大きなショックを受けております」とのコメントを公表した。事件解明には、中村容疑者の“奇行”の分析も欠かせない。