軍事評論家・神浦元彰氏「日本人が拉致されるケース増える」

2015年02月03日 11時00分

【イスラム国・日本人人質事件】軍事評論家の神浦元彰氏(65)は今後、懸念される“危機”について「今後、日本人が拉致されるケースは増えるだろう」と指摘する。

「日本人は警戒心も少なく、誘拐しても日本国から武力攻撃を受けないということが今回でわかってしまった」

 もちろん「中東=危険」という認識の広まりで旅行者は減るだろうが、中東、中東以外、ひいては世界中どこでも拉致されるリスクは高まったと思わなければならない。

「今後、拉致されても『自己責任論』など起こらないだろう。海外旅行で自動車事故に巻き込まれたのと同じ程度の扱い」

 つまり、危険地帯に踏み入れた段階で自己責任を追及されるまでもなく「拉致は当然ありえること」との考えが日本国民に浸透したわけだ。残虐性を誇示するイスラム国にとっては、狙い通りの展開かもしれない。

 日本人殺害の報が世界発信されたのを契機に、欧米諸国はイスラム国への攻撃をさらに強めるだろう。「空爆はどんどんやる。ここでやめるようならダメ。逆に回数を増やすくらいじゃないとなめられる。イスラム国対ヨーロッパやアメリカの戦争になる」

「武力参加しない」という日本の姿勢は通用しない。「安倍首相の『イスラム国と敵対する周辺国に2億ドルを支援する』発言が火をつけた」。自分たちに弓ひく敵の一つとして受け止め続けられる。「発言の軽い安倍さんへの国内からの批判も強くなるだろう」と指摘する。

 戦争になったとして、イスラム国を倒すことはできるのか。誰にもわからない。空爆が増せば、重武装化を推進するだけかもしれない。

「敵」と認定された日本でのテロ活動も懸念されるが「イスラム国が日本でテロを起こすことは難しい」という。水際でテロリストの入国が厳しく阻止されるからだ。

 ただし「母国を出てイスラム国に参加して、爆弾の作り方などを勉強した後で、自国に戻りテロを起こす可能性は大いにある」。こうした者は、欧米で実際にテロを起こして問題視されている。

「2人の遺体は埋めるか焼くかするかだが、過去には『殺害したアメリカ人の遺体を返してほしければ金をよこせ』と要求した例もある」。まだ予断は許さない。