ベネッセ集団訴訟 巨額請求額に発展の可能性も

2015年01月31日 16時00分

 ベネッセコーポレーションの顧客情報流出事件で、個人情報が漏れたとして、顧客1700人以上が29日、ベネッセに1人当たり5万5000円、計約9800万円の損害賠償を求める集団訴訟を東京地裁に起こした。

 原告は東京の弁護士らが昨年12月に結成した「被害者の会」に参加したベネッセの顧客ら。被害者の会は、1月末まで全国から同調する被害者を募り、参加希望者が増えれば追加提訴も予定しているという。

 ベネッセホールディングスは昨年9月、流出した個人情報が約2895万件との推計を発表し、補償金計200億円を用意し、被害に遭った顧客に500円相当の金券を配布した。

 原告側は「家族の生年月日や住所、電話番号などが第三者に漏れて大きな不安を感じている。わずかな謝罪で済まそうとする態度に憤りを感じる」と批判している。

 ベネッセホールディングスは「訴訟に関するコメントは差し控える」としているが、恐れているのは原告数がさらにふくらみ、巨額の賠償金になることだ。

 情報流出のサービスは多岐にわたり、被害者の総数は不明。経済誌関係者は「被害者は(最大で)2895万人いますから、(その場合)全員が提訴すれば請求総額は1兆5900億円、半分としても8000億円。ベネッセ全体の純利益は200億円規模ですから、40年分の利益が損失しかねない。そうなると経営破綻しかねない」とみている。

 情報流出をめぐっては、今回の集団訴訟とは別の顧客ら13人が昨年、ベネッセ側に計100万円(1人当たり約7万7000円)の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。

 法曹関係者は「焦点は1人いくらの損害賠償が妥当かという点。ベネッセが済ませようとした500円から7万7000円までの間で裁判所がどんな判断をするのかが注目です」とみている。