新実死刑囚が明かしたVX作戦「ほっほっぴゅ」

2015年01月25日 16時00分

 オウム真理教元信者・高橋克也被告(56)の裁判員裁判第6回公判が23日、東京地裁で開かれ、元幹部の新実智光死刑囚(50)が証人出廷し、VX事件について証言した。


 教団の古参で多くの非合法活動に従事した“最狂”の男だ。殺人だけで7つの事件で起訴され、死刑が確定。麻原彰晃死刑囚(59=本名・松本智津夫)への帰依心を維持しているとされる。遮蔽板で傍聴席から顔は見えなかったが麻原を「尊師」と呼ぶ様子からは、推測が当たっているのではないか。


 被害者参加人として検察席に座った永岡弘行さん(76)によると、新実死刑囚は短髪で紺色の作務衣姿。「何度も接見しているが、痩せた印象」を持ったという。法廷での語り口は穏やかだった。今回、高橋被告が起訴されなかったものを含む3つのVX事件に関与した。


 麻原が「神通力」と呼ぶVXを標的の人間にかけることが目的だった。麻原から下された指示は独特なものだった。標的の男性にかけたVXに効果がなかったので、教団は新VXを開発した。新実死刑囚に麻原は「新しい神通力ができた。今度は大丈夫だろう。やり方は『ほっほっぴゅ』でよい」と伝えたという。


 検察官が「え?」と聞き返すのも仕方ない。新実死刑囚によれば「ほっほっ」というのはジョギングで息を弾ませる様子で「ぴゅ」は注射器に入れたVXをかける音。ジョギングを装って標的に近づき、VXをかけるのが麻原命名の作戦「ほっほっぴゅ」だったのだ。


 それからは、検察側も弁護側も、最終的には裁判長も「ほっほっぴゅ」という言葉を連発するので、法廷には微妙な空気が流れた。


 弁護側は「高橋被告はVXの効果を知らなかった」として殺意を否定しているが、新実死刑囚は同被告を含む犯行メンバーに麻原はVXが「猛毒だ」と伝えていたなどと証言。同被告はさらに窮地に追い込まれた。