【日本人人質殺害予告事件】人質解放のパイプ持つ2人に強力要請できない政府のメンツ

2015年01月23日 14時00分

会見を行った常岡浩介氏

【日本人人質殺害予告事件】日本人人質殺害予告事件がもたらす影響が国政に出てきそうだ。

 政府関係者は「事件を受けて、安倍晋三首相は『だからこそ集団的自衛権の行使を容認する法整備が必要だ』と強調することになるでしょう」と予測する。

 問題は世論だ。22日の段階ではネットを中心に自己責任論が吹き荒れている。つまり人質となった湯川遥菜さん(42)とフリージャーナリストの後藤健二さん(47)は「勝手に行ったのだからしようがない」というもので、2004年に日本人3人がイラクで誘拐されたときにも、巻き起こった議論だ。当時は3人とも解放されたが、今回は殺害予告が出されている状況で、最悪、処刑映像が公開され得る点が大きく異なる。

「いざ最悪の事態になったら、世論が逆に吹いて政府批判となったら集団的自衛権どころではなくなるかもしれない」(前出政府関係者)。処刑映像がもたらすインパクトは予測がつかない。

 イスラム国に宣伝をさせないためにも解決に導かねばならない。22日にはイスラム国とのパイプを持つ中田考・同志社大客員教授(54)とジャーナリストの常岡浩介氏(45)が別々に記者会見を行い「政府に協力する用意がある」と話した。

 しかし、捜査関係者は「北大生のイスラム国渡航未遂の件で、警察は2人を容疑者扱いしています。そうである以上、今さら協力を頼めないのではないか」と指摘。2人によると、外務省や警察から直接の接触は会見の時点ではないという。

 常岡氏は「パイプは私と中田氏ならある。望みは少ないがイスラム国との直接対話しかない。もし処刑となれば責任はイスラム国にあるが、対策できるのにしなかったという点で日本政府、特に警視庁公安部外事3課に2番目の責任がある」と語った。

 政府はメンツを捨てて2人に協力を求める選択肢もあるのだが、どう出るのか。