【日本人人質事件】「中東調査会」が分析する本当の狙い

2015年01月21日 16時00分

【イスラム国・日本人人質事件】公益財団法人「中東調査会」の上席研究員高岡豊氏(39)によると、そもそも殺害予告の誘拐は広報活動の一環だという。

「イスラム国は敵対者を屈服させるため、主義主張を広めるために暴力を使う『テロリズム』を採用している。言論の自由が確立されて報道機関がある国、つまり先進国の人間が標的。自ら宣伝しなくても、イスラム国の主張をバンバン報道してくれる」

 今回は「2億ドル」を掲げているが、金よりも宣伝のほうに重きが置かれるという。そのため「西洋系の人間は手当たり次第捕まえる方針らしい」(高岡氏)。

 これまでに、オレンジ色の服を着せられて生き残った事例は残念ながら少ない。「身代金目的で誘拐する場合、動画を流さず、本当に捕まったのかもわからない状況で、相手と取引を静かにする」(同)

 昨年9月以降、英米の人道支援家やジャーナリストらが同様に動画に出演させられ、殺されてきた。「英米には完全降伏など、途方もない要求を突きつけてきた。交渉や妥協の余地もない示威行動です。『72時間』や『2億ドル』も受け渡しのイメージが全くできない」として、最初から金銭目的の可能性が低いのではないかと推測する。

「世論を動揺させたら大成功。たとえば、金を払うと言いだす人が出てきたりしたら、それは彼らの思うつぼなわけです」

 今回の殺害予告によって、イスラム国への怒りや恐怖を覚える人は多いだろうが、一方で一定数の賛同者も現れる。

「処刑の映像を見て、ざまあみろと思う人間もいるから、(イスラム国は「処刑」を)やる」。日本人の中でさえもイスラム国の思想に共感を持つ者が出ないとは言い切れない。それこそ、イスラム国の思惑通りなのだ。