【日本人人質事件】誘拐情報を入手していた政府は何をしていたのか

2015年01月21日 16時00分

【イスラム国・日本人人質事件】湯川遥菜さん(42)の実家には多くの報道陣が集まった。父親は代表取材を通じてコメントを発表。「今は情報が錯綜しており、お答えできることがありません」と事態を見守っている。昨年8月に拘束が判明した後から体調を崩し、ノイローゼ気味になっていたという。殺害予告映像に映っているのが湯川さんかどうかも確認できる状況にないとも。父親は同月の本紙取材においても、「ニュースで使われている映像や写真を見ることはできません」と、息子の置かれた悲惨な状況を直視できないと話していた。

 一方、後藤健二さん(47)の拘束に日本政府は大慌てだ。昨年10月にシリア入りしていたが、同23日のツイッターを最後に消息が途絶えていた。家族には「湯川さんを助けに行く」と話していたといい、予定日になっても帰国しないことから、家族は外務省に連絡をしていた。

 つまり、政府は後藤さんが拘束されている可能性を早い段階でつかんでいたはずだが、対応は後手後手。政府関係者があちこちに「後藤さんはどんな人ですか」と聞いて回っていたほどだ。

 中東取材の経験があるジャーナリストは「湯川さんと違って後藤さんはその道のプロ。それでも拘束されたというのは、現地の協力者に裏切られたのかもしれません」と指摘。中東の取材においては現地の協力者を頼りにすることが多い。

 後藤さんはキリスト教徒だったという。イスラム国からみれば敵になるが…。「キリスト教徒というのがどこまで影響しているのか分かりません。ただ、聖書は持っているより持っていない方がいいでしょう」と前出のジャーナリストは話している。