オウム事件「最後の被告」は教団の闇をどこまで語るのか

2015年01月15日 11時00分

 地下鉄サリン事件など一連のオウム真理教事件で“最後の被告人”となる元信者、高橋克也被告(56)の初公判が16日に東京地裁で行われる。高橋被告は地下鉄サリン事件や猛毒のVXガスを使った殺人など5事件に関与したとされ、殺人などの罪に問われている。

 公安関係者は「公判は週に2~5回のペースで行われ、4月下旬に判決が言い渡される見込み。井上嘉浩や中川智正など6人の死刑囚の証人尋問が予定されています」と語る。

 3年前、高橋被告は17年にわたる逃亡生活の末、東京都大田区の漫画喫茶で逮捕された。その際、教祖だった麻原彰晃こと松本智津夫死刑囚の著書や写真を持ち歩いていたことが判明。逮捕後の調べで、松本死刑囚について「今でも信じている」と供述した。

「高橋被告はオウム真理教の前身『オウム神仙の会』のころに出家した古参信者。松本死刑囚の身辺警護を行う『SPS特別警備』に所属し、ほかの死刑囚よりも松本死刑囚の身近にいた。語られていない教団の闇を知っているはず」(同)

 逃亡している間、高橋被告は同教団に対する捜査や被告人らの裁判が、どういう流れで判決を下されたか見てきた。

「これまでの公判で被告や教団関係者は、一連の事件の核心に触れる証言をしていない。高橋被告は、まだ松本死刑囚に帰依しているであろうことが不気味。新事実は期待できません」

 昨年12月、公安調査庁は、公表した「内外情勢の回顧と展望」の中で、オウム真理教から改称した「アレフ」について、セミナーを積極的に行うなど、依然として警戒が必要との見方を示した。

「オウム事件後に生まれた世代が大人になり、教団が凶悪事件を起こしたことすら知らずに入信した者たちがいます。その中には教団の事件を正当化する者も出てきているのです」と同関係者は警鐘を鳴らした。