2012年9月に起きた“六本木クラブ襲撃事件”に関与し、傷害致死などの罪に問われていた暴走族グループ「関東連合」(解散)の元リーダー・石元太一被告(33)の控訴審判決公判が18日、東京高裁で開かれ、一審の懲役11年判決を破棄し、懲役15年を言い渡した。

 事件が起きたのは2年前の9月2日未明。東京・六本木のクラブ「フラワー」に目出し帽をかぶった10人あまりの男が乱入し、VIPルームにいた藤本亮介さん(31=当時)を金属バットで袋叩きにし、殺害した。その後、藤本さんは“人違い”で殺されたことが判明した。

 石元被告は暴行には参加しておらず、実行犯で関東連合OBの男性に電話しただけで、襲撃のことは「聞かされていなかった」と主張したが、裁判所は傷害致死の共謀共同正犯を認定。

 河合健司裁判長は「襲撃は計画的かつ迅速に行われ、石元被告人も十分予測していた」として、1審の懲役11年より重い懲役15年を言い渡した。

 これには同被告もぼうぜん。一審判決では退廷時に「諦めねぇからな!」と捨てぜりふを吐いたが、今回はボソボソと口元は動いていたが、その言葉は聞き取れなかった。

 同被告に近い人物によると「納得がいかない」という理由から、近く最高裁に上告するという。

 この日の傍聴席には石元被告を支援する知人や後輩が集結。コワモテの風貌だったが、皆、口々に「太一はハメられた」と主張。関係者の一人は「当時のあいつはタレント活動に本腰を入れていて、事前に襲撃であることがわかっていたら、絶対に協力しなかった。実行グループを集めたのも別の人物だ」と話す。

 事件後、現場近くの防犯カメラには金属バットを持った石元被告らしき人物が写っていたが「実はあれは別人。そのことは検察側も認めている」(同)という。とはいえ、被告側がそうした状況証拠を提示しても、裁判所はことごとく却下。法曹関係者によれば「上告しても棄却される可能性が高い」という。