3度目改正のストーカー規制法 それでも残る「抜け道」

2021年05月27日 11時30分

まだ不十分という声も多い

 今国会でストーカー規制法が改正されたが、この法律にはまだ課題が残っているという。

 今回の改正で衛星利用測位システム(GPS)機器や居場所が分かるスマホアプリの悪用を禁じることなどが付け加えられた。例えば相手に承諾なく、GPS機器を相手の持ち物等に取り付けて居場所を把握する行為は規制される。8月から施行となる見込みだ。

 同法は1999年の埼玉・桶川ストーカー殺人事件をきっかけに制定。2012年の神奈川・逗子ストーカー殺人事件で、メールの連続送信が規制されるよう改正された。また16年の東京・小金井ストーカー殺人未遂事件を受けても改正があり、ツイッターなどSNSでの執拗な嫌がらせも対象となった。今回で改正は3回目となる。

 今後の課題として残っているのが“恋愛要件”の撤廃だ。同法は「特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で」つきまといなどをした場合に適用される。恋愛以外のトラブルでは適用されないことに、疑問の声が上がっているのだ。

 ストーカー被害は恋愛関係でのみ起きるものではない。あるストーカー規制法違反事件にかかわった関係者はこう語る。

「つきまとい行為をして逮捕された男性が恋愛感情を持っていたかが問題になりました。男性が『恋愛感情はない』と供述したため、具体的な行為があったかに焦点が移っていきました」

 つまりセックスをしていたかどうかが調べられたという。

「2人はネットで知り合った友人で恋愛関係ではなく、セックスはしていなかった。結局、起訴には至りませんでした。男性の弁護士は『セックスしていたらアウトだった』と話していました。セックスしてたら警察に『恋愛感情がないのになぜしたんだ』と押し切られていたというんです」

 男性はおとがめなしだったが、恋愛要件がなければ同法で起訴されていた可能性は高い。今後は恋愛要件の取り扱いが注目される。

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