全国に37校の「スーパーグローバル大学」に選ばれたばかりの学校で、ハレンチ事件が発生していた。不名誉な事件があったのは国際教養大(秋田市)。女子トイレに不法侵入したとして、2年の男子学生(20)が建造物侵入容疑の現行犯で秋田県警東署に9月30日に逮捕された。

 同日午後11時20分ごろ、女子学生が学習施設内の女子トイレに人の気配を察知。連絡を受けた警備員が個室の中にいた男子学生を発見、逮捕した。同署幹部は「侵入は認めている。目的は想像できることだろう」。のぞきか盗撮の線が濃厚だ。

 公立の同大は日本では珍しく、授業のすべてを英語で行う「完全英語教育」がウリ。学生の9割が大学敷地内の寮かアパートに住み、1年間の留学も義務付けられている。驚くべきは「ほぼ100%」(同大)の就職率。2004年創立の新進大学としては異例で、教育方針は各メディアで特集されることもあった。

 卒業生の半数が製造業に就く。「留学先で『メード・イン・ジャパン』の製品を多く目にして、その評価が高いことを知って志望する」(同大)ことが多いという。

 同大は先月26日、文科省の「スーパーグローバル大学(SGU)創生支援事業」(グローバル化けん引型)の対象に選定されたばかり。日本のグローバル化推進を支援する大学と認定され、10年で上限20億円の補助金が支給される。同型では東京外語大や千葉大など有名校と並ぶ快挙で、公立はわずか2校だった。

 そんなときに起きた事件に同大は「タイミング的には…。だが、学生の行為とは関係のない話。SGUに採択されたことを踏まえて、今後も教育に取り組む」と前を向く。

 現場は24時間開放の施設だ。「学生であれば誰でも入れるが、女子トイレまでは許可されてない。優秀な学生が多いので非常に残念。集中力は別の方面に生かしてほしかった」(同署幹部)

 未来の日本を担う人材になり得るだけに、のぞきや盗撮ではなく勉強で出直すしかない。