チョウザメを養殖する人が増えた理由

2014年09月27日 16時00分

 世界3大珍味として知られる「キャビア」を産むチョウザメが大量に殺される事件が発生した。宮崎県警日向署によると、椎葉村にある水槽で養殖されていた生後3年目のチョウザメ230匹が死んでいるのが見つかった。養殖場は山奥にあり、水は沢から引いていた。同署幹部は「いつもは開いている水のバルブが閉じられていた」と話す。そのため、水槽の水に空気が行き届かず、酸欠で死んだようだ。

 同署は器物損壊や威力業務妨害容疑で捜査を進める。動機について幹部は「田舎では水は大事。沢の水をふんだんに使っていたことで、恨みを買ったのかもしれない」と推測する。

 チョウザメに詳しい広島のチョウザメ養殖業者「廣島蝶鮫」の経営者藤本一義さん(49)によると、チョウザメは酸欠に弱いという。

「底に沈んだものを食べるハゼなどと同じで口が下を向いているので、コイのように水面で口をパクパクできないんです」と藤本氏。しかし、基本的には飼育しやすい魚だ。

「ふ化してから1年はかなりの確率で死ぬけど、それ以後は安定しています。手もあまりかかりません」

 そんな育てやすさもあるのか、副業としてチョウザメ養殖を始める人が増えているそうだ。

「建設業をやってる人たちや自治体が町おこしで始めることがあります」

 チョウザメといえば、キャビアが頭に浮かぶ。

「1匹10キロのチョウザメから1キロの卵が取れる。だいたい30万~40万円」ということは、一獲千金を狙って養殖をする者が多いのかと思いきや、違う。

「キャビアが取れるようになるまでに10年以上かかる。思ったような成果が出なくて、やめてしまう人も多いのです」

 では、キャビアではなく、何を売りにしようというのか。「実は肉がおいしいんですよ。タイやヒラメのような白身で、焼いても煮ても刺し身でも。すしネタとしても扱われています」

 ちなみに、チョウザメという名前からサメの仲間と誤解されるが、アロワナと一緒で昔から形を変えずに生きてきた古代魚。そして、海水魚ではなく淡水魚だ。