【池袋暴走事故】主張曲げない飯塚幸三被告に遺族絶望「むなしい」 次回公判で直接対決

2021年04月28日 11時29分

遺影を前に会見する松永拓也さん

 2019年4月に東京・池袋で起きた暴走事故で自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われている旧通産省工業技術院の元院長、飯塚幸三被告(89)がついに被害者遺族と向き合うことになる。

 27日、東京地裁で公判が開かれ、被告人質問が始まった。飯塚被告は「アクセルを踏んでいないのに加速した」「車が制御できず恐ろしく感じ、パニック状態になった。ブレーキを踏んだが減速せず、ますます加速した」とこれまでと同じく過失はないと訴えた。

 事故で妻の真菜さんと娘の莉子ちゃんを亡くした松永拓也さんは公判後の記者会見で、「ひと言で言うとむなしさと悔しさ」と無念の表情で語った。「私はドライブレコーダーの映像が事実だと思う。なかなか自分の考えを変えられない人なのだろう。加害者の記憶と事実に乖離がたくさんある」と飯塚被告の記憶に間違いがあると指摘した。

 客観的証拠を提示されても間違った記憶にこだわり続ける飯塚被告に、真摯な態度は見られない。松永さんは「荒唐無稽な主張を続けていることに絶望した。裁判がむなしくなることもある。命は戻らないのに意味があるのかと」と心境を吐露。真菜さんの父である上原義教さんは「多くのことは願いません。彼が事故に向き合い、反省してほしいだけ」と話した。

 次回の公判では松永さんが質問に立って、直接、飯塚被告を問いただす予定だ。「法廷という逃げられない場で私たちの思いを受け止めてほしい」と松永さんは話した。

 この直接対決はどうなるか。司法関係者は「過去のケースでは相模原障害者施設殺傷事件の公判でも遺族が被告に質問しています。この時、被告は持論を変えることなく、遺族は満足のいく答えを得られなかったそうです」と振り返った。

 主張を変えない点では飯塚被告も同じ。果たして飯塚被告から真摯な言葉は聞かれるのか。

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