警察は「県境をまたぐ逃走犯の追跡を諦める」都市伝説は本当か

2014年08月20日 09時00分

 警視庁は今年4月に郵便局で強盗を働いたとして、今月半ばまでに男2人を再逮捕した。男らは犯行後に都内から埼玉県に逃走する手口を繰り返し、「都県境付近なら捕まりにくいと思った」と供述。県境で追跡する警察の足がピタッとやむ映画ドラマのような事態はあるのか――。

 計3件の強盗事件で、再逮捕された無職深沢智成容疑者(25)とトラック運転手田主和央容疑者(42)の手口は一貫していた。コンビニや郵便局などに深沢容疑者が押し入り、金を奪うと、外で待機していた田主容疑者の運転する車に乗り、逃走を図った。

 ターゲットはいずれも県境付近に位置していた。3万円を奪われた西東京市の郵便局は、国道を2キロ進めば、埼玉・新座市で、4万5000円が奪われた東京・足立区のコンビニは、北西3キロで埼玉・川口市に逃げ込めた。押し入ったエリアの警察署管内から一目散に逃げ出していたようだ。今回の事件だけでなく、県境付近を狙った犯行は多い。縄張り意識が強い警察は、管轄区域外での追跡に及び腰になったり、他の署との連携が悪いとのイメージが持たれがちだ。警察ドラマでは「そこからは向こうのシマだ」と逃走犯の追跡を諦める場面もよく描かれる。ただ、捜査関係者は都市伝説と一蹴する。

「警察が管轄外に急には行けずに捜査の手が及ばないと思ったようだが、そんなことはない。現行犯なら追いかけるし、広域緊急配備がかかり、都内から逃げ出したとしても埼玉県警の協力を得ていた」

 結果的には遺留品や防犯カメラ映像から深沢容疑者の足がついたが、犯行直後に捕まらなかったのは運が良かっただけで、決して捜査の手がやんだわけではなかった。