パソコン遠隔操作事件の片山祐輔被告(32)が暴力団関係者からスカウトされていた!! 闇社会が欲しがっているのは、4人もの誤認逮捕者が出る事件を起こした片山被告のネットスキルだという。片山被告は将来について「有名になり過ぎた。誰も雇ってくれないだろう」と不安な胸中を告白している。暴力団関係者は、罪を償った後の片山被告の心に生じるに違いない“隙間”を計算し、その能力を利用しようと暗躍しているのだという。

 9日午後、東京地裁で第12回公判が開かれ、片山被告への被告人尋問が行われた。公判後、本紙が佐藤博史弁護士を直撃すると「片山さんには現段階で暴力団から『友達になりたい』と手紙が来ている。格好のエジキですよ」と明かした。

 片山被告はネットスキルを駆使して、遠隔操作ウイルスを作製。4人の誤認逮捕者を出し、犯行声明メールなど余計なことをしなければ、完全犯罪として逃げ切れた可能性も捨てきれない。その能力は、より悪質な犯罪に転用できる。だからこそ、暴力団が片山被告と“友達”になりたがっているというのだ。

 また暴力団が“奇策”を使ってくる可能性もある。

「今、拘置所への手紙は写真付きでも送れるんですよ。だから『アンタ、女に弱いから、ハニートラップに要注意だ』と言っておいた。女性から手紙が来たとは聞いてないけど、ニヤニヤして読んでいるかもしれない。僕に全部を話すわけじゃない」と佐藤氏。犯罪組織が女性を使って、片山被告を勧誘する手法もあるという。

 この日の公判で片山被告は刑務所時代のエピソードを披露。2005年に仙台市の女子小学生への殺害予告をネットに書き込むなどして、脅迫容疑等で逮捕され、1年6月の実刑判決を受けていた。このとき、服役した川越少年刑務所で、服役仲間から勧誘されたともいう。

「刑務所には悪だくみする人がいる。『出会い系サイトの運営をしないか』『ネットでシャブを売らないか』『詐欺グループで一緒にやらないか』とか。全部、丁重にお断りしました」(片山被告)

 出所後、片山被告はIT関連会社に就職したが、今回はそうもいかない。この日、被告人尋問に先駆けて誤認逮捕された1人が証人出廷。

「一生(刑務所に)入っていてほしい」と厳罰を求めた。

 実刑判決の可能性も高い。片山被告は「有名になりすぎた。どう食べていけばいいのか。(次の服役中に)誘惑が来るのが怖い。犯罪に関わりたくないが、誰も雇ってくれないなら、そういう人(暴力団関係者)に頼ってしか生きていけないかもしれない」と将来の不安を語った。

 佐藤氏は「これは真剣に考えないといけないこと」と“悪の手”から片山被告を守るつもりだ。