サイパンで行方不明になっていた山田なつきさん(33)とちなつさん(26)姉妹の空と海からの捜索が6日までに打ち切られた。2人は6月29日深夜から30日未明にかけて、ゴムボートで遭難したとみられていた。米沿岸警備隊が「救命胴衣や水なしでは生き延びるのは難しい」と、さじを投げてしまったのだ。


 姉妹は宿泊先のホテルを出たまま、行方が分からなくなっていた。地元警察は事件性は薄いとしているが、2人のゴムボートは海上で発見されたのに、オールは浜辺に残されたままと、不自然な点もある。


 本当に捜索は終わるのか。元警視庁刑事で警察ジャーナリストの北芝健氏は「サイパンの警察は犯罪に対して緩い。事件性なしにしてしまった方が、サイパン警察にとって失点が少ないと考えるのです」と地元警察の体質を指摘する。姉妹が事故ではなく、事件に巻き込まれた可能性もある。「オールが浜辺にあったというのは、偽装工作と受け取れる。ボートに2人がいなかったのだから、誘拐されていることも考えられる」(北芝氏)。疑問が残るのは当然だ。


 再捜索させる方法はないのか。「サイパンには優秀な白人弁護士がいます。ご家族にできるのは弁護士を通じて、事件記録を警察に提出させること。おかしな穴や新しい事実が出てくることがある。お金はかかりますが、弁護士を使って捜査を動かすことを考えてもいいかもしれません」(同)


 携帯電話が見つかっていない他は、盗まれたものはなさそうだという。陸上の捜索はまだ続くが、果たして新事実は出てくるのか…。