小保方晴子氏(30)の不正が認定されたSTAP細胞論文をめぐる問題は、今月中にも処分が決まる同氏はもとより、処分を下す所属先・理化学研究所(理研)も信頼がますます低下しそうな流れになっている。

 小保方氏が勤務する理研発生・再生科学総合研究センターに置かれた自己点検検証委員会の報告書案によると、同氏が理研のリーダー級研究者に応募した際に提出した研究計画書で、人の細胞として示していた画像が、マウスの細胞を使った博士論文の画像の転用とみられることが分かった。

 本来、採用時に行われる英語面接が行われなかったことも判明したが、小保方氏の代理人の三木秀夫弁護士は「彼女は英語ペラペラですよ」と一笑に付し、「研究職を採用するのに大学入試みたいに公平平等に試験をしないといけないのか。彼女が悪いことして(理研に)入りこんでいるイメージで発信している」と反論した。

 同論文では、画像の誤りのほか、STAP細胞の遺伝子データが別種の細胞のものである可能性が指摘されるなど、不正認定後も小保方氏に不利な情報が続出。「なぜ情報がボロボロ漏れているのか、組織としてどうなのかと理研に抗議しています。普通の企業ではありえない」と三木氏は不信感を募らせる。

 さらに、小保方氏をよく知る関係者は「委員会が小保方氏のメールを勝手に見ている可能性がある」と明かす。検証委では、小保方氏が管理しているメールアドレスのうち、理研から与えられたアドレスでしかやりとりしていない内容を把握しているという。同委が盗み見た可能性もあり「もしやっていたら完全に刑事事件。点検検証委員会は犯罪集団になる」とこの関係者はあきれた様子で話す。

 これでは、一連の問題を検証している理研も、ダメージを負うことは免れない。

 三木氏によると、小保方氏は理研の実証実験への参加意思も示しているが、実現はまだ不透明。できなければ「理研にいる意味はない」(同)という覚悟だ。