マスクで顔が見えない…コロナ時代の児童防衛術

2021年02月09日 11時00分

マスクで顔が見えないコロナ禍では例年以上に警戒が必要だ(写真はイメージ)

 福岡県警春日署は8日、大野城市内の公園で7日午後4時ごろ、公園内で遊んでいた女児が見知らぬ男から見つめられたとして防犯メールで注意を喚起した。毎年、春が近づくと増える不審者情報。新型コロナ禍で誰もがマスクをする中、児童防犯の点から、どう対処すればいいのか? 特定非営利活動法人「安全安心まちづくり研究会」の防犯環境診断士・坂本一成氏に話を聞いた。

 昭和の時代には春になると全裸の男がコートをまとい、女児の前に現れてはバァーッとコートを広げて性器を露出するという都市伝説のような珍事件が少なくなかった。

 まさか今の時代にそんな“化石級”の犯罪者がいるとは思いたくないが、福岡県大野城市で“いかにも”な怪しい事案が発生した。公園内で遊んでいた女児が、身長175~180センチの30歳くらいの男からジーッと凝視されたという。

 新型コロナで誰もがマスクをしている時代。ちょっと女児を見ていただけで誤解される可能性も考えられるが、防犯環境診断士の坂本氏は、こう話す。

「誤解の可能性はゼロではないが、一人の児童をジーッと見るのは、児童に声かけするときの典型的な物色行動のひとつ。自分の性的指向に合致するか、近づいて声をかけてもいい相手か、見定めるためにロックオンしていた可能性は高い。直ちに警戒を強めなければいけないケース」

 折しも現在は新型コロナ禍で不要不急の外出が自粛されている真っただ中だ。世間では自宅時間が増えたこともあってアダルトコンテンツの視聴数が増加。当然、児童への性的欲求を持つ犯罪予備軍による視聴数も増えているとみられるが、こうした環境が犯罪予備軍を刺激して危険な行動へと向かわせる要因になりかねないという。

「かつてに比べると児童に対する声かけは明らかに増えている。その要因のひとつとして挙げられるのが、いつでもネットで児童ポルノを見られる環境になったこと。2次元の中で終わってくれればいいが、犯罪予備軍はリアルを求めて実際の行動に移す傾向が強い。新型コロナ禍の環境は、そうした傾向をさらに強める」(坂本氏)

 新型コロナが日本で深刻になったのは昨年4月ごろから。当初は誰もが未知のウイルスを恐れて外出を避けた。しかし、今は「ウィズコロナ」が定着し、街は人出が増えている状況だ。それだけに今年の春は、例年以上に児童への性的欲求を持つ犯罪予備軍の“リアルな行動”に気をつけなければならない。

「毎年、春先になると児童を狙った怪しい声かけが増える。しかし、児童を狙う犯罪者は気が小さく、慎重な場合が多い。そのため児童がしっかり警戒行動を取ることで、多くの場合はリスクを回避できる」(坂本氏)

 坂本氏は少しでも危険を感じた場合に児童が取るべき警戒行動として、①怪しい人に気づいたら防犯ブザーに手をかける、②歩いている時にたびたび後ろを振り返って警戒しているそぶりを見せる、といった点を強調する。

 とはいえ、近年は地域による児童見守りの重要性が叫ばれる中、善意の声かけが悪意と誤解されることがあるのも事実。児童見守りのために声かけする場合は、くれぐれも“変なおじさん”と勘違いされないよう言動には注意したい。

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