オウム菊地被告「不法行為の立証」のカギは“内股歩き”

2014年05月30日 08時00分

 1995年の東京都庁小包爆発事件で、殺人未遂と爆発物取締法違反のほう助の罪に問われたオウム真理教の元信者菊地直子被告(42)の裁判員裁判の第9回公判(杉山慎治裁判長)が28日、東京地裁で行われた。

 菊地被告は罪状認否で「薬品は運んだが爆薬の原料とは知らなかった」と起訴内容を否認している。同被告がオウム富士山総本部の実験棟から薬品を運び込んだ東京・八王子の教団アジトを監視した警視庁公安1課の捜査員が、検察側証人として出廷した。

 証拠資料は菊地被告とみられる女性が事件の約2週間前から数日にわたり複数回、アジトに出入りする様子を撮影した写真など。入室時は紺色のスーツにトンボメガネなのに、退室時は白いブラウスに茶色のスカーフを巻き、メガネを外しているなど、お泊まり芸能人のビフォー・アフターのような変装ぶりだ。

 捜査資料の写真のメモ書きには「スカーフの女」「内股」など外見的特徴のほかに「J嬢」とある。菊地被告のホーリーネームの頭文字はJではない。“走る爆弾娘”の異名をとった菊地被告を伝説の陸上選手故フローレンス・ジョイナーさんになぞらえたものとみられる。

 薬品の運搬だけでなく、アジトに頻繁に出入りしていたとなれば目的を知っていた証拠となる。捜査員は「内偵の時点では菊地被告と特定していなかったが、内股歩きや色白ぽっちゃりなどの特徴から、数回にわたり目撃した女性との同一性を確信した。出入りが激しいので不法行為が計画されているのではと危惧した」と証言した。

 弁護側は、捜査員が複数回目撃した人物を同一視する根拠が乏しいなどと証拠の信用性を崩そうとしたが、法廷内には徒労感が漂うばかり。法廷の時計を見つめ続ける裁判員もいた。

 退廷時の菊地被告の内股歩きが、皮肉にも証言に信ぴょう性を持たせていた。