宮崎県宮崎市内の小中学校で、ピアノの「ペダル」が盗まれる事件が昨年から相次いでいる。売却目的での犯行との見方もあるものの、宮崎県警は「金目当て」の線を捨て、犯人の性癖が関係しているとの見方を強めている。フェチの専門家は「犯人はピアノのペダルになって、美人教師に踏んづけられたい人物ではないか」と推理した。そんなフェチがあるのか?

 県警宮崎南署によると、昨年と今年で同署管内の5つの小中学校で、6件のピアノペダルの盗難被害が届けられ、窃盗容疑で捜査が進められている(うち1件は「ペダルがピアノから分解させられた」として器物損壊容疑)。昨年は2件。今年は3~5月で4件と異常な発生頻度だ。

 体育館や音楽室などにあるピアノが狙われた。同署副署長は「ピアノは施錠されていない場所にもあったが、校内のことをよく知らないと犯行は難しい」という。

 ピアノペダルはスズと銅の合金製で、価格相場からはじき出された被害額は「1個につき14万~15万円」だという。だが、売却目的かというと違うようだ。珍しい品だけにアシがつきやすいというのだ。副署長は「金目的ではない。ペダルだけを盗むという固い意志が感じられる。昨年は3月下旬で、今年は3~5月。春という季節モノなのかもしれないが…。いや、フェチということもあるやろな」とみている。

 ピアノのペダルフェチ。犯人はいったいどんな人物なのか。東京・池袋の老舗変態フェチ風俗「Club Tight」関係者は、複数の可能性があると指摘する。

 まずは単なる“いやがらせ説”。

「ペダルがないと演奏ができなくなって、先生も困ってしまう。先生を困らせることに興奮するタイプの犯人なのかもしれない」。美人女教師を困らせるフェチの犯行という可能性だ。有力な仮説が“ペダル自己投影説”だ。前出関係者は「フェチの世界に『インセクト・クラッシュ』というカテゴリーがあります。文字通り『虫を(踏み)潰す』こと。女性にアリなどを踏んづけてもらうんです。男性はアリの気持ちになって待っていますから『こんな強くて美しい女性に踏みつけられて、やられちゃった~』と興奮するわけです」と指摘する。踏みつけられるペダルが自分だから欲しいというわけだ。ノーマルな者には理解しがたいディープな世界だ。

「『クラッシュ』という分野もあって、同じく女性にショートケーキなど非生物をぐりぐり踏み潰してもらって喜ぶフェチです。今回の事件の犯人は、ペダルに自分を投影していると推測されます。犯人は生徒にとってキレイで強い女性教師がピアノを演奏してペダル(自分)を踏みつけている様子を想像しながら、ペダルを見てオナニーしているのでしょう。M男性が女王様に踏まれたり、靴を舐めたりする精神と似ている」(同)

 目撃情報や防犯カメラの映像などは残っていないという。「逮捕はなかなか難しい。工夫しないといけないね」と副署長は検挙を見据えて話している。