オウム菊地直子被告の初公判で出た小保方氏との共通項

2014年05月11日 11時00分

 オウム真理教による東京都庁郵便爆弾事件(1995年5月)で、爆弾の原料となる薬品を教団幹部に運んだとして、殺人未遂と爆発物取締罰則違反の各ほう助罪に問われた元信者菊地直子被告(42)の裁判員裁判の初公判が8日に開かれ、同被告は無罪を主張した。

 争点は、運んだ原料が爆弾製造に利用されると認識していたか否か。グレーのスーツに眼鏡姿の菊地被告は、白いブラウスのボタンを一番上まで留めた姿で「薬品を運んだことは間違いない。ただ、爆薬の原料とは知らなかった」と主張。爆破で左手の指をすべて吹き飛ばされた元都職員の内海正彰さん(63)には「大変申し訳なく思っている」と謝罪した。

 だが、反省の態度は見えにくい。証人出廷して「今さら謝罪を言われても、私の20年は戻ってこない」と訴えた内海さんの指のない手を目にしても、表情はまったく変わらず。菊地被告は内海さんへの会釈もなかった。

 菊地被告は教団の「厚生省」に所属。大量虐殺可能な爆発物や毒物の精製を手がける部署だ。教団内では「カモシカのように走り続ける女」を意味するホーリーネームで呼ばれていた。その名が書かれた「実験ノート」が証拠として検察側から提出された。“菊地ノート”はけい線に沿って、数字や試薬名、反応式や文字がきちょうめんな筆致で記述されていた。検察はこの証拠などから同被告が爆弾製造に十分な知識を有していたと主張したいようだ。また、麻酔薬精製の「チームリーダー」にも任命されていたという。

 実験ノート、チームリーダーといえば、理化学研究所の小保方晴子・研究ユニットリーダーが世間の耳目を集めている最中とあって、傍聴人の間では「奇遇にもタイムリー」という声も。裁判は6月末まで続く。