豪首相フェルトペン爆弾であわや

2014年05月02日 11時00分

 警視庁公安部が4月28日、火炎瓶処罰法違反の疑いで逮捕した無職佐藤能久容疑者(39)を、同7日に東京・霞が関で爆発騒動を起こしたとして再逮捕し、訪日していたオーストラリアのアボット首相(56)があわやの事態に遭遇する寸前だったことが分かった。


 佐藤容疑者は、茨城・利根町の自宅で灯油と導火線を装着した火炎瓶を所持していた疑いで再逮捕。最初の逮捕は、7日に東京・霞が関の財務省前の路上でカッターナイフを所持していた銃刀法違反容疑の現行犯。同日はそのほか、アボット首相の車列が通る直前に爆発騒動を起こしていた。


 破裂したのはフェルトペンで、中にはHMTDといわれる高性能の火薬が詰め込まれていた。家宅捜索で火薬や火炎瓶などが押収され、再逮捕につながった。


 軍事評論家の神浦元彰氏は「2005年に、56人が死亡したロンドン同時爆破テロ事件で使われた爆薬です。フェルトペンほどの量でもきちんと爆発していれば、普通の車だったら乗員をケガさせるほどの威力はあったのでは」と指摘する。


 佐藤容疑者は「社会に不満があった」と供述しており、自宅からは化学用品なども含めておよそ200点が押収された。犯罪グループや思想的な背景はなく、爆弾マニアによる単独犯とみられる。


「材料は薬局やホームセンターで売っている一般品から調達でき、製造法がネットに載っている。マニアは山の中などで爆発させたりしているが、時に自己顕示欲から街中に持って来たりしてしまう。組織に属さない愉快犯が一番怖くて、縦や横のつながりがないから警察の網に引っかかってこないのです」(神浦氏)


 佐藤容疑者が再逮捕され、発表されたのは最初の逮捕から3週間もたった28日。オバマ米大統領の来日(23~25日)前の発表を避けたのは、模倣犯の出現や警備上での不測の事態を警戒したとみられる。