札幌ガスボンベ連続爆破事件 奇妙な逮捕劇の裏

2014年05月04日 11時00分

 奇妙な逮捕劇の裏側は――。北海道警の官舎や商業施設などで1月から相次いだ札幌市北区のガスボンベ連続爆発事件で、道警札幌北署捜査本部は30日、同区の無職名須川早苗容疑者(51)を激発物破裂容疑で逮捕した。5日間にわたる任意の事情聴取を通じて本人は犯行を否認したまま。道警は逮捕に踏み切った決定的証拠については明かさないという不思議な逮捕劇となった。専門家は起訴、公判維持へ向けた道警の“隠し玉”があると指摘しているが…。

 

 

 各爆発現場は名須川容疑者の自宅から半径3キロ圏の円内にあった。逮捕容疑は4月3日午後11時45分ごろ、北署近くにある警察官舎の階段踊り場でガスボンベを爆発させ、共同出入り口の窓ガラスなどを壊した疑い。5本のカセットコンロ用ガスボンベと約2000本のクギが見つかった。人に危害を加えるためにクギを仕掛け、爆発で飛び散らせた可能性がある。


 道警は先月26日に家宅捜索を行い、任意の事情聴取も開始。聴取5日目の30日に逮捕状請求に踏み切った。事件の起きた時間帯に、近くを走る名須川容疑者の車がタクシーのドライブレコーダーに記録されていたこと、自宅からの押収物、現場周辺の防犯カメラの映像などから「総合的に判断した」(捜査本部)。


 北区では1月の札幌北署駐車場に始まり、大型量販店など5件の爆発事件が4月初旬まで続発。犯人は、それらの犯行への関与を示唆し、爆破予告ととれる言葉や、同署署員の実名を挙げた強い警察批判を書いた手紙を警察や地元メディアに送付していた。


 警察と過去にトラブルがあって強烈な恨みの感情を持つ者の犯行と考えられていたが、名須川容疑者を逮捕したものの、容疑については一貫して否認しているという。