死刑判決・白石被告の精神プロファイル なぜ9つの遺体頭部と暮らせたのか?

2020年12月19日 11時30分

現場となった白石被告のアパート

 神奈川県座間市のアパートで2017年、男女9人の切断遺体が見つかった事件の裁判員裁判で、強盗強制性交殺人などの罪に問われた無職白石隆浩被告(30)の弁護人は18日、東京地裁立川支部の死刑判決を不服として控訴した。地裁立川支部が明らかにした。

 被告は公判で「裁判を早く終わらせたい。死刑でも控訴しない」との意向を示していた。

 被害者はツイッターに「死にたい」と書き込むなどしており、殺害の承諾の有無が争点だった。弁護側は「被害者は死ぬために被告に会いに行き、殺害のタイミングと方法は被告に委ねられていた」として、承諾殺人罪の成立を主張していた。

 クーラーボックスに入れた頭部と暮らしていた…凶悪犯罪史上でもまれな残虐事件だが、改めて白石被告の精神状態はどうだったのか。

 米国で連続殺人犯、大量殺人犯など数多くの凶悪犯と直接やりとりしてきた国際社会病理学者で、桐蔭横浜大学の阿部憲仁教授はこう語る。

「なぜ9つの遺体頭部と平気で一緒に暮らせるのか? 白石にとって死体は我々が想像するほど不快でなかったはずです。その答えはサイコパシーと関係します。サイコパシーとは感情のハンディキャップのことであり、サイコパシーチェックリストが存在しています。これまでに明らかになっている情報として、送検時の車内で顔を隠したり、自分の家族や限定した被害者にはすまないと感じるなど、白石のサイコパシーレベルは最高レベルではないにしても、上位には位置するものと推測されます」

 同氏によると、脳や感情の発達する「臨界期(0~3歳)」に、愛情に基づいた十分なスキンシップやコミュニケーションが欠如すると、人間は温かい血の通った「有機的存在」にならず、むしろ、「無機物(モノ)」に近い存在になってしまうという。

 阿部氏は「そのため、自分とは異質な人間と一緒にいるよりも自分と同質の無機物(死体)といる方がむしろ違和感がなくなるのです」と分析した。