文部科学省は4日、来春から使用する小学校教科書の検定結果を公表した。韓国、中国がそれぞれ領有権を主張する島根県・竹島と沖縄県・尖閣諸島について、社会科を発行する4社すべてが5年生か6年生用で記述し、初めて「日本固有の領土」と明記した教科書もあった。教科書作成の指針となる小学校の学習指導要領解説書は竹島・尖閣に言及していないが、小学校でも領土問題を教える流れが定着した。

 竹島について「日本固有の領土ですが、韓国が不法に占領しています」(小5)と政府見解を明記した教科書や、尖閣周辺の日本の領海で中国船が違法操業していることに触れたものもあった。日本の教科書検定結果について、さっそく韓国外務省報道官は4日「わが固有の領土である独島(竹島の韓国名)に対しとんでもない主張を繰り返したことに、強い遺憾の意を表明する」との声明を出した。

 韓国事情に詳しいジャーナリストの若杉大氏は「1952年、韓国は悪名高い李承晩ラインを日本海に引き、その内側に竹島を含めました。日本が独立を回復する直前のどさくさまぎれの泥棒行為でした」と指摘する。

 これによって、先祖代々、その地域で操業していた日本の漁師たちが韓国の警備船に次々と拿捕され、釜山の収容所へ送られた。その数は延べ4000人ともいわれる。

「中には韓国側の発砲によって、乗組員が死亡した第一大邦丸事件もあった。収容所は劣悪な環境で、多い時には10畳の部屋に30人が押し込められ、飲料用の井戸とくみ取り式便所は隣り合わせといった不衛生さ。食事は砂利のまじった麦飯にタクアン2切れで、看守による暴力も横行しました。しかも、韓国は日韓基本条約を自国有利に運ぶため、この抑留漁民を交渉の人質カードに使った。日本は人道問題としてこの事実を国際社会にアピールする戦略をとるべきでしょう」と若杉氏は話している。