渋谷ホームレス殺害事件 64歳被害女性が〝バス停ベンチ暮らし〟を続けたワケ

2020年11月24日 13時17分

犯人はバス停生活する被害者に腹を立てていた(写真はイメージ)

 東京・渋谷区幡ヶ谷で路上生活をしていた大林三佐子さん(64)が殺害された事件で、警視庁に傷害致死の容疑で逮捕された吉田和人容疑者(46)は容疑を認める供述をしている。一方で大林さんがバス停ベンチ暮らしを送っていたワケが分かってきた。

 事件は今月16日午前4時ごろ、甲州街道沿いのバス停ベンチにいた大林さんの頭を吉田容疑者が石の入った袋で殴った疑い。防犯カメラに犯行に及んだ様子が撮影されていた。

 吉田容疑者は現場から約1キロ離れたところに住み「近所でゴミ拾いのボランティア活動をしていて、バス停に居座る路上生活者に退いてほしかった」と供述している。

 この事件では、64歳になる大林さんが生活保護を受給し、住まいを得ることはできなかったのかと同情する声が多い。大林さんは最終バスが発車後、バス停ベンチを寝床とし、朝になると働きに出ていたという。殺害時、所持金は8円しかなかったという。

 大林さんの知人は「大林さんがホームレスになって、相当な期間がたつ。かなり精神的に疲労していたが、仕事への意欲はあった。生活保護申請すると、家族が養えないかで照会の作業がある。自分で働いて生きていこうと頑張っていたので、家族に迷惑をかけたくなかったんだと思う」と話した。

 実際、大林さんの弟とは10年以上、音信不通だったという。

 そんな大林さんに吉田容疑者は犯行前日、「お金をあげるからここから立ち去ってほしい」と依頼したというが、断られたという。バス停に居座る大林さんに怒りを増幅させて及んだ犯行だった。「痛い思いをさせればいなくなる」との供述とは裏腹に、石入りの袋で殴るという、あまりに残忍なものだった。

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